いつもの喫茶店、いつもの席。焚き火色の灯りに照らされながら。

現代アイドルもの、「靴と雷」シリーズ4作目。
前作を読んでいなくても本作だけで独立しているので問題なく読み進められます。
前3作よりも現代和風ミステリーの「壮悟と榛弥」シリーズと雰囲気が似ている印象です。タグにBLとついていますがBL苦手な私でも読めるので、そんなにBL色は濃くないかと思います。

懐かしい昭和の喫茶店の、焚き火色の照明の下の緩やかな時間の流れのように静かに、穏やかに物語は進んでいきます。
アイドルものではありますがステージの上ではなく、オフの姿がメインになっており、これが前3作との印象の違いかもしれません。

静かにひっそり、オーダーしたアイスティーの氷が少しずつ溶けていくように二人の関係性が変化していきます。
そんな穏やかな時間の流れがお好きな方に読んでいただきたい作品です。

一番好きなセリフは時見さんの「存じてます」です。おっしゃああああ!!!って全力のガッツポーズをしました。

素敵な作品を拝読させていただき、ありがとうございました!