家族になるということ。

 妻を亡くした男性の家にポンコツ家事支援アンドロイドがやってきて、アンドロイドとの暮らしによって、彼の人間性が回復していくという筋書きである。
 シンプルに感動してしまった。人の心の動きの機微、人への理解すべてにおいて暖かく見守る視点はとても素敵だ。
 ただ、亡くなった妻の代わりにアンドロイドが収まるというのは予定調和かなと思う面もある。彼らは歪な夫婦や家族なのだから、何らかの歪さを抱えた物語の提示を待ちたい。
 人とアンドロイドとの恋というのも語り尽くされているし、そうした語り尽くされた要素を超えた捻りもいると思った。