ニャルさま先生が描く本作は、動物たちの視点で描かれる異色の食レポ小説です🍽️✨。
誇り高き野牛の仔・エナム・バンテン🐂は、動物たちの食生活をレポートし、人間たちに伝える役目を担います📜💡。
舞台となるのは、動物たちが二足歩行し、器用な手先を持ち、言語を解するアニマルアカデミー🏫🐾。
ここでは、ライオン、トカゲ、ゴリラ、鰻など、さまざまな動物が会話し、それぞれの食文化を持ちながら生活しています🍖🥗🐟。
エナムは、動物たちとともに食堂へ向かい、彼らの食事をレポートすることで、動物の視点から見たグルメの世界を描いていきます🍽️✨。
果たして、今日登場するのはどんな動物なのか? ――ぜひこの作品を読んで、動物たちの食事の奥深さを体感してください!📖💖
我々人間の視点だとタイトルだけを見て、「出てくる料理はステーキかな……?」などと思ってしまいそうだが、本作は意外や意外、動物が食べられる話ではなく、動物たちが動物の視点からグルメリポートをしていく異色の食レポ小説!
野牛の末裔であるエナム・バンテンを筆頭に、アニマルアカデミーによって知性を与えられた動物たち――ライオンやトカゲ、ゴリラに鰻(!?)といった様々な生物が女将さんに振る舞われた料理を食べて、食レポを繰り広げていく。
この食レポが人間視点で見ても普通に美味しそうなのだが、本作はただ食べるだけではなく、牛のエナムは一度呑み込んだ料理をしっかり反芻して味わうし、ライオンのサバーは肉の塊を噛まずに丸呑みして喉越しを楽しむなど、その動物にしかない特性をフル活用しており、食レポと同時にそれぞれの動物の生態を学ぶことができるのが大きな特徴!
動物たちが美味しい料理に舌包みを打つという一見ほのぼのした内容なのだが、その一方で、活動目的がよくわからないアニマルアカデミーの設定や、正体不明女将さんなど、合間合間に不穏な要素を挿し込んできて、先の展開の予想がつかなくなっているのも作品の良いスパイスになっている。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=柿崎 憲)