恋の調べを奏でた五線譜

 都内女子校に通う高校生、ハルとツカサ。願いをかけた七夕に、ふたりは恋人として付き合うことに。でも、訳アリのふたり。結ばれることのない将来。特別な関係になった瞬間から、ふたりは別れの日を意識する……なんとも切ない感情なのだろう。
 ふたりの視点で紡がれる恋の旋律。叶わない願いと溢れる想いを奏でるように、五線譜ノートで恋をなぞる、儚き調べ。でも、言葉で伝えることも五線譜ノートにも残せない想いがあるのです。
 うちに秘めた本当の気持ちが、お互いを結ぶまでの恋の道のりを感じていたい、満ちる想いが途切れそうなほど切ない音を奏でる百合小説です。