エンゲージリングⅥ

 彼女は死んで、数日経った。また、夢を見た。彼女ではなく、約束したあの子だった。

 あの子は、何か言っている。僕は咄嗟に耳を傾けた。


「誰か助けて」


 たくさんの手があった。よく観察すると男の手だった。

 手を差し伸べようとしたが、男の手はあの子の身体を触っている。まるであの子の手が幽霊みたいになっていた。手を握ろうとしたが、透けていて無理だった。

 

 目を覚まして、午前0時になっていた。あの子が助けを求めるような夢だった。

 手の感覚があった。仰向けで寝ながら、手を握った。


「絶対に助けてやる。」


僕が最初での異世界に旅立つきっかけになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

エンゲージリング FloSurs085 @shino085

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ