エンゲージリングⅥ

 彼女は死んで、数日経った。また、夢を見た。彼女ではなく、約束したあの子だった。

 あの子は、何か言っている。僕は咄嗟に耳を傾けた。


「誰か助けて」


 たくさんの手があった。よく観察すると男の手だった。

 手を差し伸べようとしたが、男の手はあの子の身体を触っている。まるであの子の手が幽霊みたいになっていた。手を握ろうとしたが、透けていて無理だった。

 

 目を覚まして、午前0時になっていた。あの子が助けを求めるような夢だった。

 手の感覚があった。仰向けで寝ながら、手を握った。


「絶対に助けてやる。」


僕が最初での異世界に旅立つきっかけになった。

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エンゲージリング FloSurs085 @shino085

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