2023/03/24(2)

 念仏を唱えるかのような淡々とした気持ちで日記を書いています。

 念仏ほどいいものでもないでしょう。とにかくどうでもいい文章を生み出している感じです。生まれたそばから死んでいくようなどうでもいい文章です、作品としての面白さも度外視しているので、こんなもん自分の文章に対するネグレクトみたいなもんですよ。


 まあ、特に何もありません。

 世界は相変わらずぼやけているというか、いくら文章の死骸とは言え、人に見せる文章である以上、あんまり解像度を上げてしまうとインターネット越しに人間が見えてしまうのであまりよくありません。


 ……となると、日記を書くこと自体が間違っているということになりますが、深く考えるのはやめましょう。


 コメダ珈琲に行きたいですね。

 コメダ珈琲に行きたいという話を日々しています、最寄りのコメダ珈琲はまあ遠いです。歩きで行くと一日がかりのイベントになりかねません。

 そして、コメダ珈琲だけで一日を潰して良いのかと自分の中の賢い部分が言ってきます。そうです、自分の中の賢い部分は人生の重要な部分では何も言わないくせに、人生のどうでもいい部分では大声で喚くんです。あんまり賢くないんですよ。


 コメダ珈琲に限った話ではありませんが、カツサンドは好物です。

 ただ、最後にコメダ珈琲でカツサンドを食べた時はひどい虫歯に苦しんでいた時なので、思い出は苦痛と癒着しています。辛い思い出を忘れるために日々を楽しく生きています。苦しんでいようが楽しんでいようが苦痛は消えないので、楽しんでいたほうがマシです。


 こうやってコメダ珈琲の話をしていたら、なんだかコメダ珈琲に行ってカツサンドを食べなければならないような気がしてきました。思い出は消えませんが、上書きすることは出来ます。上書き出来ない一度きりの苦痛こそが真に厄介なものですが、出来るものに関しては幸福でベタベタと塗りつぶしていくのが良いでしょう。


 喫茶店と言えば、僕のお気に入りの喫茶店はパフェが大層に美味しいのですが、ランチの点では非常に弱いところなので、そろそろ大学生時代に通い詰めたような料理が全体的に最強な喫茶店を発掘したいものです。


 もっとも喫茶店にかぎらず、個人営業の店は入店の際にかなりの気合が必要になるので、金銭や精神の消費をトータルで含めるとチェーン店に行ったほうがマシということは往々にしてあります。冒険心は重要ですが、冒険自体は僕をあまり救ってはくれないのです。


 隣の家から何かしらのメロディが聞こえます。

 以前、どこかの作品で隣の家から水音と存在しない赤子の声が聞こえるという話をした記憶がありますが、最近では赤子の声が聞こえなくなりました。めでたいことなのかめでたくないことなのかはよくわかりません。


 日記を書くたびに自分の内面を掘り進んでいきますが、その底の浅さ故にあっという間に突き破って心に穴が空いてしまうような気持ちです。


 というわけで七回分ぐらいは続けようと思った日記もこれで終わりです。

 三日坊主というか三回坊主ですが、まぁいいでしょう。

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空前の日記ブームに便乗して 春海水亭 @teasugar3g

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