第15話 旅を楽しくするために
驚く私とヒカリに対して、ヨシツネは丁寧にその理由を解説してくれた。
「もちろん、君たちを助けたいという思いがあるよ。そして、僕自身は電車好きだけれども、僕の周囲には同じように電車に乗りたいという友達が誰もいないから、一緒に乗ってくれる仲間を探していたんだよ。電車に乗って旅をする時は、自分一人だけで行くよりも仲間と一緒に話をしながらの方が絶対に楽しいからね」
「そうですか……でも、旅費があまりにも高すぎるのは、ヨシツネさんに悪いと思うので……負担が大きすぎるから。私たちは、少しもお金を稼がなくても本当に宜しいのですか?」
私は、旅費のことが最も気になっていたので、その質問をしなければならないと感じていた。
「その点も大丈夫だよ。僕は、去年にかなり仕事で働き過ぎてしまったせいで電車にほとんど乗ることができなかったから。けれども、今年は絶対に電車に乗って旅をしたいからね」
ヨシツネの声を聴いた私とヒカリは、安堵のため息をついた。つまり、彼は去年に大量の金を働いて稼いだから、お金の心配はしなくても良いということらしい。
「あ、改めて……あ、ありがとうございます」
「本当にありがとうございます!」
ヒカリは少し口ごもりながらも深々と頭を下げて感謝の一言を伝えた。
そして、私は頭を下げながら元気よく力強くお礼を言った。
明日から、すぐに私たち3人による電車の旅が始まることになった。
はたして、どのようになるのか? 私には、期待と不安が同時に生まれていた。。
ブルー・トレインの輝き 宗谷ソヤナー @souyasoyana
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