第14話 援助する理由

「どうして……私たち2人に対して、そこまで親切に助けてくださるのですか!? まさか……私とヒカリのどちらかに恋をしてしまったのでしょうか!? その理由について、私たちに教えてください! お願いします!」


 私は、思わずヨシツネに質問してしまった。その時に少し焦って、叫び声になってしまったが、これは仕方ない。ヨシツネが美男子だから、彼が恋人になったとしても悪くは無いのだけど……。


「わ、私からもお願いします!」


 隣で並んでいたヒカリも、叫んでお願いしていた。無理もない。上手い話には裏があるということが多いのだから。

 そのような慌てる態度の私たちに対して、ヨシツネはその美しい銀髪を後ろ手で少しポリポリとかきながら答えてくれた。


「いや~、少し恥ずかしい話なんだけど、実は…………僕は電車に乗ることが趣味だから、この機会を大事にして君たち2人を地球へ戻すことを手助けするとともに、自分は電車の旅を楽しんでいきたいという理由で言ったんだよ…………」


 理由を話していくヨシツネは、少しだけ顔を赤くしていた。銀髪碧眼の美男子が照れる様子は、私としては良いと感じていたが……つまり、この美男子は電車オタクだったということなのか…………!


「つ、つまり。ヨシツネさんは、あなた自身が電車に乗りたいから私たちを助けてくれるのですか!?」


 私と同じ疑問を持ったヒカリが、やはり驚いた表情で彼に尋ねた。

 信じられない……電車賃が3人分だと、3年間も働かなければならないのに……!

 

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