第13話 驚きの爆弾発言

 この異世界で1年近くも働かなければ鉄道に乗るための切符を買うことができない…………私は、今までアルバイトをしたことが無かった。そしてヒカリも。


「わ、私……上手に働いていくことができるかどうか……わ、わからないよ……」


 ヒカリが再び涙声になってしまった。私は、初めて働くことに対して自信は無かったものの、彼女を元気づけるために励ましの言葉をかけた。


「大丈夫だよ、ヒカリ! 私が頑張って働いて、ヒカリの電車賃を全力で稼いであげるから!」


 そして、ヒカリの背中をポンポンと優しく平手で叩いてあげた。彼女は、その言葉が嬉しかったらしいようで、私に抱きついてきた。


「ありが……とう……でも、私もシズクに全部を頼ることはできないから……私も頑張って働くよ…………」


 ヒカリは、肩を小刻みに震わせながらも言ってくれた。気が強い私ではあったものの、右目から一粒だけ涙が輝いて落ちた。

 しかし、その様子を見つめていたヨシツネが、突然に爆弾発言を放ってきた。信じられない発言だった。


「2人とも安心していいよ。帝都ガンギへ行くための交通費は、僕が出してあげるから。明日には、すぐにあの鉄道に乗れるから、忘れ物をしないように気をつけてね」

「ええーっ!?」


 私とヒカリは、さっきよりも大きな驚きの声で叫んでしまった。私は、その不思議な発言に対して少しだけ不気味さを感じていた。

 この男性は、いったい……なぜ…………!?

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