月の灯りは 導く手

寂れた町の 商店街に
一際目立つ 喫茶店
優しく点る ランプの灯り
ただ安らぎを 追い求め

迷いを抱く 数多の影を
その灯火が 照らし出す



生きているだけで、どうしてもどこかに湧いて出てくる、ちょっとしたモヤモヤ……、
それをスッキリさせる方法は人それぞれ、いろいろあるかと思います。

その一つに、落ち着いた空間……例えばそう、雰囲気のいい喫茶店で時間を過ごすというのもあるのではないでしょうか?

さらに……もし、その喫茶店で、本当にそのモヤモヤを解消できるきっかけとなる「なにか」が起きるとしたら?

全4部構成、一つ一つのお話が読みやすくまとめられていて、展開がとても早くわかりやすいです。
文体もしっかりしていて、わかりにくい誇張表現や複雑な言い回しもなく、ノンストレスで読み進められます。

「どうしようもなくたまらない気持ちが溢れたら、そのときのそれが、そうだ」

これは、作者様のキャッチコピーですが、
ここまで指示代名詞がいくつも続く言葉で、これ以上に「それ」を表現した言葉は無いと思いました。