追記 3Rを終えて

 つい三時間前、念願の3Rを完遂した。

 これも増え続けるRRR仲間と、Twitterに出現し続ける素晴らしき二次作品、そして感想エッセイのお陰である。

 ありがとうみんな、ひと月経っても私は息子と「Dosti」を口ずさんでいるよ。


 そう、息子といえば先日面白いことがあった。

 GW初日。ふたりで水族館を楽しみ、その帰路の高速道路でのことだ。二時間を超える運転でかすかに睡魔に襲われた私は、スマホで音楽をかけることにした。

 当然、『RRR』のプレイリストが上位に食いこんでおり、程なくして「Dosti」が始まった。

 私も息子も謎のテルグ語で「だらだんだだ」と歌って眠気を追い払ったわけだが、そこで彼は驚くべき発言をした。

「あ、ここ、人間タワー上ってるとこだね」

「あはは、綱引き強いよねビーム」

「今、タイヤに火がついたね~」


 なにこいつ、恐ろしい子……!(白目)


 私は誓って、毎日息子にRRR関連動画を見せていない……! もちろん映画も観に行っていない。

 恐らく「Dosti」を見せたのはは十回に満たないはず。それがなぜ!

 ――そうか、息子よ。やはり母の子オタクの子はオタクだったか。


 血脈を感じた帰路はそこから一切の眠気を感じなかった。ありがとう、『RRR』。



 ***



 さて。

 三回目とはいえ、東北の片田舎の小さなスクリーンでは、どんなに目を凝らしてもラッチュの爪のペンキは見えなかった。悔しい限りだ。

 そして三回目だからこそ攻めようと購入したチョコチュロスだが、やはり口をつけずに観終わってしまった。帰りの車で食べた、まぶされた砂糖の甘さが最高だった。


 自覚したことは、「Dosti」のテーマ(仲良しのときも対立のときも)が流れる度に、涙を流すマシーンになったということ。

『secret base~君がくれたもの~』→号泣

『I Don't Want to Miss a Thing』→号泣

 ここに堂々の仲間入りである。



 えっと本題に入ろう。いくつか話したいことがあった。



 ラーマの髭は象徴だった――!!!!!



 ……またか、miccoの象徴厨めと思われた人もいるかもしれない。

 でもこれは1R目からずっと違和感に悩まされていたことなので、語らせてくれ。(Twitterに生息する髭性癖強火のフォロワーからは何を今さらと詰られる考察かもしれないので、やっぱり先に謝っておくね。ごめん!)


 あのさ、ラーマはビームを捜す捜査官になってから髭を伸ばしてる。市民に紛れる変装でもあるんだろうけど、もっさもさである。どれくらいであれだけ伸びるのか分からんが、ビームと出会って「パーティーは動物園事件」まではもっさもさである。

 言わずもがな、髭はインド人らしさであり、インド人としての心の象徴であろう。

 そして思いだしてほしい。冒頭、「FIRE」のときはご存じの通り口髭だけ残してきれいに剃っている。警官服のときは口髭だけ(英国人文化)になっている。

 憎しみのFIREに取り憑かれたラーマはインド人としての心を抑え、英国に従っているからだろう。


 唯一当てはまらないのが、動物園事件中に火馬車で乗り込んできたシーン。さすがに蛇にかまれて親友が敵と知って着替えて火馬車を手配する忙しさに、髭なんか剃ってられなかったのかもしれない。いや、むしろラーマの心はビームにロンギポーさせるつもりだったから、やはり髭はあってしかるべきだった。


 いやいや、そりゃ制服のときは仕事なんだから髭剃るでしょ、と思われた方。待ってほしい。話は(まだ)続く。


 そしてビームの鞭打ちの刑を経、私の一番好きなラーマの笑顔のシーン――ビームの歌が民衆を動かしたと語るあの夜の街のラーマを思いだしてほしい。


 髭 が 薄 ら 生 え て い る。(真顔)


 ビームを助けるとおじさんに宣言したラーマの心は、このときからインド人として英国と戦うことを決意した。

 そうして翌朝、スコット総督と処刑の打ち合わせをするラーマの顔には……


 髭えぇぇぇぇ!!!!!!!


 お分かりだろうか。

 村人全員に武器を用意するため、ラーマは四年間も徹底した忠誠心を演じてきた。そのラーマが職場に無精髭で現われるなんて……あり得ないッ! そうここが違和感の正体だったのだ。


「忠誠心を忘れるな」

 私は(映画館の)暗闇の中、ラーマの肩を叩いたスコットの節穴を嘲笑したい気分だった。もう髭生えてるから手遅れだぜ!!!!!



 ――これに気づいてからはスッキリしちゃって。やっぱり三回観るもんだと心底思った。


 あと、「Dosti」中の羊を柵の中に返そうとして逆に追いかけられちゃうのも、分かりやすいコレだった。ベタでちょっと可愛いエピソードかと思ってたけど、よく考えたらアレだった。

 外に出た羊奪われたマッリを返そうとするビーム。

 あーあやめとけってジェスチャーするラーマ。

 そして結局、追われる二人。

 ……ソレじゃん!


 一体、あとどれだけの伏線と象徴が埋め込まれているんだ……。

 あと何度観ればいいんだ。





 あぁ今日みたばっかりだから語彙力が戻って来てないし構成もおかしいが、このまま書き続けてみるッ。


 ダンスバトルの最後、いつもはラーマの「あ゛ッ!」に気をとられてらけど、今回初めて(!)ビームに注目してみたのよ。

 みなさん、ビームの足、もう限界きてませんか!!????

 上がらない感じ出てるよね!!!???


 あっ、それから、ジェニーの部屋に行って彼女が「あなたの瞳は」って言ったときのクリクリお目々すっごくきらきらしてて、

 わっ!!///////

 ってなったよね!!!??


 あとエドワードがポケットに手を入れて歩くのが好きで、こいつ長いものに巻かれて適当に生きてきたのかな……でもインドの言葉は分かるみたいだからきっと頭はいいのかな……なんて彼の人生を妄想してしまった。

 ジェイク……君の敗北は今回も輝いてたよ。(サムズアップ)


 ……

 …………

 ………………


 たぶん、これで映画館で『RRR』を観るのは最後になると思う。

 でもきっとDVDは出たら買うし、なんなら「Naatu Naatu」マグカップも監督のアクスタも予約済みである。

 Twitterも素晴らしい二次作品で溢れている。(二度目)(大切なことだから)


 明日もきっと「Dosti」を聴く。



(了)

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