2話 式神くんの報告

晴天なある日、吾は、

「お外やだ!」

と言う引き籠りのマキちゃんをヘッドロックで固めたまま、マキちゃんの家を出ようとしたら、マキちゃんの式神の少年が、

「ダメです~」

と吾を止めようとしたが、

「ほれ」

とゲーム機を渡すと目を輝かせ、熱中し始めた。


「裏切り者ー!」


式神とは言え子ども、チョロイ。



 

     ♪♪♪♪♪



どうも♪

野良の陰陽師の野良のはなもりです。

昼間は女子高に通ってます。

親友が引き籠ってしまって、学校にはあんまり行きたくありません。


さて、今日は親友で引き籠り女子マキちゃんの、日干しを兼ねて、オープンカフェに来ています。カフェの前に公園があってですね、とても日差しが心地よいのです。


前回、1話完結のはずが、ある事に気づいて、2話目展開となりました。


ぱちぱちぱちぱち。


と言うのもですね。

式神の認知度の低さを実感した訳です。


それで、野良とは言え、陰陽師の野良のはなもりの式神を紹介したいと思います。

野良なので、正式かと言うと疑問なのですが、まあ一応。


1番目の式神は【つたえる】


ぱちぱちぱちぱち。


発音は「つた↓える」ではなく、「つた↑える」だそうです。

その名の通り、伝える式神です。

まあ発音はどっちでも良いのですが、「つた↓える」と言うと「つた↑える」と訂正するので、ウザいです。


なんかちょっと前のアニメの使徒みたいな響きですが、式神がアニメの影響を受けるとは思えないので、いや思えない事もないような奴です。


あっ式神とは、あれですよ、召喚する鬼のような者です。

怪しい宗教とかではないので、引かないで下せい。


そして鬼と言っても、奴の能力は至って地味。

つたえる、伝える。

そう奴は伝えるだけなので、派手な爆裂魔法などは使えません。



隣でアイスコーヒーを飲んでいるマキちゃんの目が、キラリと光りました。

「見て見て見て、いかづちちゃん、あの子カッコ良くない?」

帰宅中でしょうか、カッコよさげな男子が、自転車で公園を横切って行きました。

「うん、うん、うん、うん」

マキちゃんの意見に激しく同意です。

うん、めっちゃ好みのタイプであります。


『はなもりさま』

そんな時、つたえるが吾に話しかけてきた。

「なに?」

『冴えない女子が二人揃って、オープンカフェって、とあの者は思っております』


つたえる、伝える。

地味だけど攻撃力は時として凄まじい。


めっちゃ好みのタイプだっただけに、吾の心に与える嘆きの衝撃波は凄まじかった。



「それは言わんでよろしい」

なんせ式神は鬼だ。人の気持ちなど解らない。そこは注意しませう。


とりあえず何も知らないマキちゃんは、カッコよさげな男子を見てご機嫌でした♪


『はなもりさま、雨雲です』

「あっホントだ」

『10分後に、嘆きの雨が降ります』

「余計な言葉付け加えんでいいねん」



以上、嘆きの雨が降る公園内のオープンカフェからお送りしました。


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陰陽師少女・野良のはなもり♪ 五木史人 @ituki-siso

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