欲望というものはなくならないということを教えてくれる作品です!
独白から始まる導入で、世界観が1話毎に輪郭を作り出していくわけですが、詰め込むような描き方をせず軽い文章で情報を著しく制限しているので壮大な物語でありながら視線がブレることがありません!
アンドロイドたちのベースに魂があるという流れのもとに喜怒哀楽がない、ということはありませんが気が遠くなる年月を過ごした心は摩耗しているようにも感じます。
あらすじの通りそんな惑星に人類に似た者たちが降り立った。というアンドロイドたちの感情の起伏は忘れていた何かを思い出させたのかもしれません!
特に創造主という言葉の万能さに対して、降り立った人間の不完全な振る舞いに落胆する場面などは人間味を思い出させるようでとても素敵です!
抽象的な表現として「潤い」と言う言葉に縋るところが、アンドロイドでありながらも人間だった頃の気持ちに縋っているように見えることも展開として秀逸でした!
1章のいわば導入部分を読みましたが、この物語がどのように着地するのか見えないからこそ先が気になる物語だと思います!
どのような変化を引き起こしていくか、みなさんも一緒に覗いて見てはいかがでしょうか?
舞台は人類滅亡から五千年の間ずっと恒星を回り続け、完全に機械化した惑星。
そこで暮らすのは限りなく人間に近い機械として実在する感情的で心を持ったアンドロイドたち。
そこへ人類と思わしき生物が突如戻ってきた。
人類の記憶を引き継がない新種の機種たちは人類との接触によってもたらされる変化を恐れ、人類を追放せよと叫ぶ。そして旧種とも呼ぶべき人類の記憶を引き継いだアンドロイドたちとの戦いが始まる。
堅実に生きていたアレム神父は自身の共存を謳う演説と自称鉱石運搬する真面目なトラック運転手のポンコツアンドロイドに運命を曲げられて、反政府組織の長と疑われる事になる。
果たして彼の、アンドロイドたちの運命は——。
続きが気になります。