わたしの妹と従姉ぷらすあるふぁ最終話『いいわけ』苦手なんだ。

神無月ナナメ

ラストだから素直になれるよ「ごめんなさい」

「優しくてキレイな看護師さん。家族にも寄り添える看護師さんになるんだ」

 実際のとこ従姉に悲壮な決意があったかわかんない。いいわけじゃないよ。


 もちろん大阪出身で有名なバンド。シャ乱Qの流行歌はまったく関係ない。


 てかさぁ。いきなりワケワカメだよね。そもそもが誰に言い訳してんだろ。

わたしは大阪の隅っこに生まれ落ちた。ほんまに大阪で生まれた女やけどね?


 二十年前の流行歌みたいにクラブで踊ったことはない。東京にも興味ない。



 身を焦がすような恋愛感情を抱いたこともないよ。ここだけの話だけどね。

正真正銘の生娘どころか手をつないだ経験もないの。友だちすらいないんだ。



 もちろん家庭環境の問題からあきらめたもの。捨てたものはたくさんある。



 良し悪しの問題じゃないから後悔もしない。わたしには必要なかっただけ。

強豪バレーボールチーム。レギュラーメンバーとして活躍したのも偶然だよ。


 中学生離れした身体力。周囲を俯瞰してながめれば予測も可能だったから。



 高校時代には孤高の人扱い。挫折感を理解するのも職についてからだった。

女だらけの職場だけど経営陣はオジサンばかりだ。母体になるのが医療法人。


 若くて素直おおきな身体任せ。よく動く新人にして国家資格持ちでもある。

色気ないしセクハラ対象にされないのにオジサンたちにはモテモテなんだよ。



 まぁごく一部。若手職員をのぞき嫌われイジメられたパワハラ対象だった。



 それでもだまってこらえて我慢して休まず働いた。短いといえない5年間。

生活に転機が訪れたのは偶然だったかもしれない。それとも必然だったかな。


 敬愛する従姉が勤務する関西でも有数の大学病院。常勤介護職に誘われた。

ケアマネージャーは保険・医療・福祉の国家資格で実務5年の900日必須。


 もちろん施設や勤務先をまたいだ認定可能だけど。それでも常勤が必須だ。

最短の実務経験に止めたくても辞められない老健。最高のタイミングだった。



 ケアマネジャーは介護サービスのプランナー。コーディネーターで専門職。

介護福祉の業界内で難易度は最高かもしれない。社会福祉士は相談員資格だ。



 勤務先か住居都道府県で年1実施の「介護支援専門員実務研修試験」合格。

資質と経験が求められて高齢者の知識に介護保険法制度まで高難易度になる。


 たぶんだけど一番かんたんな方法。高卒の介護福祉取得から最短で5年だ。

もしくは介護施設で相談支援の業務。従事する場合も受験資格はできるんだ。



 おもしろいのが都道府県ごと異なる場合があり合格率までかなり変動する。


 マークシート式五択試験だ。介護保険制度の基礎。要介護認定などの基礎。

居宅施設サービス計画の基礎。保健医療と福祉サービスの基礎も問題になる。



 合格ラインは分野ごとに正答率が7割程度。難易度によって補正されるの。

昨年10月の試験前は大変だった。従姉と先輩たちから猛勉強の毎日なんだ。


 それでも専門家を求められる大阪だよ。合格率でラクだったかもしんない。

試験に合格してすぐに実務研修案内が通知された。実務研修を終えたばかり。



「介護支援専門員」資格。大阪府に登録されるとケアマネジャーを名乗れる。

 それに言い訳じゃないけど合格率2割に満たない。高難易度試験で有名だ。



 明日は勤務先で常務理事との個別面談らしい。ただ明日は明日の風が吹く。


To be continued ここから先は賢いヒロイン。新作として後日公開予定です。

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