熱い夏、揺れる世界
@kumakuma3333
第1話 夏休みの始まり
夏休みの始まり。
私は今日から長い長い夏休みが始まることを嬉しく思っていた。
朝もゆっくりと起き、家族4人でご飯を食べた。それは、毎日のルーティンだけれど、今日は何となく特別な感じがした。
「夏休み、何するの?」妹が興味津々で聞いてくる。
私は考えているふりをして、「うーん、まだ決めてない」と答えた。
「あたし、あのね、夏休みはおばあちゃん家に行きたい」と妹はニコニコと話してくる。私の妹は運動音痴だけど、とても明るく元気な子だ。
「おばあちゃんの牛乳寒天と冷凍ミカンが大好きなの。早く食べたいなぁ。」
「私もおばあちゃんの料理すきだな。私はみかんよりも、スイカが好きかな。
なぜか、おばあちゃんの家で食べるスイカって特別美味しく感じるんだよね」
私たち家族は毎日のように一緒にご飯を食べる。
今日は夏休みの始まりだからか、いつもより、ちょっと盛り上がっている。
「私今から遊びに行くから、帰ってきたら、一緒におばあちゃんに電話しよう」
と妹と約束し、席を立つ。
これから、ジーナとユキと公園で遊ぶ約束をしている。
私は部屋に戻って、遊びに行く準備をする。ボール遊びをするために動きやすい洋服を選んで着替えようとしていると、妹がやってきた。
「おねえちゃん、相談があるんだけど」妹は少し不安そうな顔をして話してくる。
「どうしたの?」
「あのね、あたし、秋の運動会で走るんだけど、どうやったら早く走れるか分からなくて。夏休みのうちに何とかしたいなって……。。。」妹は心配そうな表情を浮かべている。
私は安心させるように、「大丈夫、お姉ちゃんが教えてあげるよ。夏休み中に一緒に練習して、一番になっちゃおう!」と元気よく応じる。
「ありがとう!じゃあ、帰ってきたらおばあちゃんに電話して、その後、教えてね!」
「よし、今日から一緒に頑張ろう!」
等と言いつつ、実は私も妹と同様走るのは得意ではないので、ジーナに今日相談しようと心の中でメモを取った。
玄関で靴を履いていると、今日はいつもと何かが違うことに気が付いた。少し見回す。何か違和感がある。
今日は、お父さんも休みだからお父さんの靴があるのか。
いつもはお父さんが家を出るのが早く、私が出かけるときには、お父さんの靴はないもんね。
そんなことを考えていると、後ろから声がかかる。
「今日はどこに行くの?」とお母さんは微笑みながら、問いかけてくる。
「今日は松の木公園で遊んでくるよ!あ、いつも通りジーナとユキと一緒ね!」と私は靴を履きながら返答する。
「仲良しね。折角の夏休みだから、今度おうちでお泊り会してもいいよ。あ、ただジーナちゃんとユキちゃんの御両親にも許可もらわないといけないけど。」
「ほんと!?やったー。早速今日聞いてみる!」
「このボールは今日は使わないの?」と、少し汚れたボールを手渡してくれた。
「忘れてた。ありがとう!行ってきます!」私はボールを受け取り、公園に向かって家を出た。
熱い夏、揺れる世界 @kumakuma3333
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。熱い夏、揺れる世界の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます