7時 アンラッキー7
京極 道真
第1話 7時のアラーム
「ピピッ。ピピッ。」僕は携帯のアラームを止める。6時。いつも通りの朝だ。カーテンの隙間から柔らかい5月の光が入る。僕はアラームを止め。”あと5分”とベットの中から出れない。毎朝のルーティン。頭が少しずつ冴えてくる。さてと、僕はベットを出る。机の時計に目をやる。”えっ!”もう一度目をやる。7時が無い。時計文字盤の6時から空白8時”えっ?”僕はすぐさま携帯の時計を見る。7時が無い。これは一体どうした!机の前にフリーズ状態の僕。カーテンの隙間の光の中から窓ガラスをする抜け7が入っていた。「おはよう。サム。」数字の7は友達のように僕に話かける。「なんで僕の名前知っているの?」机の上の教科書に書いてあるよ。オカザキ サムって。」「え、そうっか。君は?」「僕は7。ただの7だよ。」 ところで「7は、なんでそこにいるの?」よくわからない質問を僕は、してしまった。7は言う。「僕ラッキー7って言われるのに飽きたんだよね。7はラッキーな数字っておバカな人間が勝手に決めて。こちらにしてみたら、いい迷惑。いつでも『ラッキー7頼む』とか言われて。あっちこっちに出張続き。疲れたし、休むことにしたんだ。6と8には悪いけど。僕はなんとなく7の気持ちが分かった。「だよねー。確かに期待されると疲れる。”7の僕に”乗っかるな。ってかんじでしょ。自分の力でやってください人間さん。みたいな。」7がニコニコしながら「ありがとう。共感してくれる子がいるとは、うれしい限り。だから僕は決めたんだ。今日から平凡な7になろうと。そして風が吹きカーテンが揺れた。7の姿はない。時計を見た。8時だ。遅刻急がなきゃ。僕は駅に向かった。信号待ち。小学生の列。1人が「昨日北斗七星見たんだ。すごくない。7つ。7つの星。」嬉しそうにみんなに自慢している。小学生たちは「いいことあるよね。7つの星。7だもんね。」「いいなあ」話は続き、真面目そうな子が「今日、漢字ノートの提出日」「持ってきた?」さっきの北斗七星の子が「えーっ。僕忘れた。なんだよ。ついてないな。」信号は変わり小学生たちは横断歩道を渡った。そして僕は学校に着く。朝の会で文化際の役決めでくじ引きがあった。「私、2。」「僕5番」「私、ラッキー7で。7番。」7を引いた子が「えーっ、私、演劇担当?なにこれ、誰か代わって。せっかくラッキー7選んだのに。ひどーい。」僕は思た。「7だって君にひかれたくないよ。自分から7捕まえて、ほんと勝手に期待して勝手に『えーっ』これはないわ。僕は7に同情した。文化祭の話し合い。少し退屈になってきた。そして僕は黒板正面右上の時計を見た。教室の時計もすでに7が無い。7は、まだ家出中なのか。時計の秒針が滑らかに数字の上を滑りながら時を進める。秒針が4.5.6.あるはずの7の空白の7の位置で止まり。時間がすべて止まった。教室の窓から大きな風が入ってきた。ブラインドが大きく揺れた。教室の時計が10時空白分で止まった。教室の窓から7が入ってきた。「サム。調子はどうだい?」「7、なにか魔法でも使ったの。みんな7に振り回されているよ。」「いや僕は何もしてないよ。勝手に僕の7に乗っかって自滅してるだけでしょ。サム。数字は単なる記号。7が悪魔の数字になることもラッキーな数字になることもあるさ。人間次第さ。僕のせいじゃないよ。」僕は7にいった「7君に同情するよ。でも時間だけは7、参加しなきゃいけないよ。欠けると君自身が本当の悪魔の数字に変わるよ。」大きな風が吹いた。時計の秒針が動き出す。教室の時計に7が戻ってきた。僕は手を上げた。さっき7を引いた子に「僕が7の演劇担当するよ」その子は喜んで7の紙を僕に手渡した。「7。」僕は7の紙をギューッと握った。
7時 アンラッキー7 京極 道真 @mmmmm11111
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