『筋肉は裏切らない』とは言うけれど、もしも不正行為で得た筋肉だったら

アーカーシャチャンネル

ドーピングの認識はメタバースでも共通なのか

 リアルの世界でもボディビル選手権はある。


 その中で、メタバース空間で行ったら……という発言を受け、試験的にテスト大会が行われる事となった。


 賞金はそこまでの額ではないものの、メタバースのアバターでボディビルのアバターを使えば、一発で優勝では……という訳にもいかない。


 あくまでもお手軽に得られた筋肉よりも、自力で得た筋肉がポイントとなっている。


 そのためか、一部の市販されているような筋肉アバターでは失格になるというルールまで追加された。


 賞金の額は1000万、大した金額ではないとはいっても金額的な意味でも不正を働こうという人物は後を絶たない。


「しかし、メタバースでリアルでもやっているボディビル選手権をやるのか」


 とある男性配信者は、告知のアナウンスを見て参加を考えていた。部門は男女共通だが、いわゆるバ美肉はバ美肉部門として別に設けられている。


 下手に不正を働こうとすれば、失格になるのはルールを見ても明らかだろう。



 それから数分後、該当するボディビルコンテストを検索すると、早速というかコンテスト狙いでアバター制作を依頼している人物を発見する。


 賞金の額的な関係もあるのだが、案の定というべきか。


「なんだろう、これは」


 アバター制作以外で発見したのは、とあるプログラムである。リアルで言うようなドーピングと似たものらしい。


 説明文が明らかに日本語としてはおかしいが、これを意図的にやっているのかは定かではないだろう。


「こういったプログラムでマッチョになったとしても、達成感はない」


 不正ツールでマッチョになったとして、SNSでの炎上する光景は容易に想像できる。


 ある意味でも『筋肉が裏切った』とも言えるような展開だ。


 筋肉に見捨てられないようにするためには、どうすればいいのか……それを考えつつ彼は筋トレを始めるのだった。


 賞金だけが目的なのか、完成された肉体を披露するのが目的なのか、そこを見極めなければいけない。

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