読みやすくて親しみやすい作品

 陰キャゲーマーの主人公・加賀美悠也が高校に入学し、義理の妹・彩音がゲームの実力者だと知ることから始まる物語です。

 悠也は進学校での勉強とゲームのランキング上位を目指すことの両立に悩みながらも、懸命に努力する姿が印象的です。特に、課題に何時間もかけて取り組む場面からは、彼の頑張りが伝わってきました。

 一方、妹の彩音は中学生ながらゲームの腕前は超一流で、悠也とは対照的な存在として描かれています。妹の意外な一面を知った悠也の驚きが面白く、今後二人の関係にどのような変化があるのか気になります。

 同じクラスの東寺とのやり取りには、悠也のゲームに没頭する性格がよく表れていて、コミカルな雰囲気もあって楽しく読めました。

 ゲームと現実の学校生活の両立という身近なテーマを丁寧に描いていて、軽快な文章からはキャラクターの個性も感じられる、読みやすくて親しみやすい作品だと思います。主人公の努力が報われるのか、彼と妹や友人たちの関係がどう変化していくのかなど、続きが楽しみな小説でした。

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