口論はメンドクサイものですね。他人同士の口論も、自分に向かって口論を吹っかけてくるのもメンドクセエ。知らんがなと思います。そんなメンドクセエ口論を天使と悪魔が頭の中で繰り広げ審判役らしき地蔵まで出てきて宗教がちがうだろという状況に。全員地獄に落ちろと思いますけれど、地獄から口論がはじまっていたのでした。
主人公が、たまたま出掛けた真夜中のお散歩で巻き込まれたのは……まさかの神々による人存亡を掛けた問答の審判!面倒で現実味のない神々の主張を深夜に聞かされ、生死をかけた選択を迫られてしまう……深夜なのに!!そして主人公が出した決断はーー深夜のテンションだからこそ出せた爽快解決策に、スッキリするお話です。
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登場人物の一人(?)のキャラクターの言動が魅力的で、可愛く仕上がっていて良かったです。というのも簡潔ながら想像できやすい題材なので、少ない描写でも完全ではない物のしっかり頭の中で形作れる話なのが良いです。なのでその一人(?)にきっと動く絵がついたらもっと可愛くなるんだろうと感じます。素晴らしい。
テクニカルな小説。表現の仕方を学びました!ラブコメにも取り入れてみたいな笑
ふらりと出た散歩先での出来事。あまりにも大きなものを背負った選択を迫られる主人公に正直同情しました。自分ならここでどうするかを、何度も考えさせてくれる一編でした。
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天使と悪魔というありきたりな組み合わせに、なぜ地蔵? 不思議なメンツが繰り広げる議論に巻き込まれた主人公。決断を迫られた時に彼がとった行動は驚くべきものでした。いろいろと考えさせられる作品です。
独身で趣味もない主人公は、平凡な毎日を送っているはずでした。ところがある日突然、目の前に奇怪な光景が広がります。そして、傍迷惑な議論に、強制的に巻き込まれてしまいます。果たして主人公はどうなってしまうのか。最後には、意外な結末も待っています。面白い物語なので、ぜひ読んでみてください。
影野海典は冴えない三十男。そんな彼に、いきなり天使と悪魔の口論の様子が見えるようになった。人間はこれからどうなっていくべきか。口論を続ける天使と悪魔。そしてどちらが正しいかを問う二体。正しさをジャッジせよと迫る天使と悪魔の口論の末に、影野の選んだ行動は?人は皆、誰もが誰もに影響し合っているわけで、ある種の二者択一を迫られた時、それがどれだけ荒唐無稽でも、現実のものであるなら、これが哲学問答でも思考実験でもないことをしっかりと受け取り行動するべきなのでしょう。
このお題でこのファンタジーを考えつかれた発想力がすごいなって思います。天使は心の中の良心を、悪魔は私欲を、地蔵は、それらを俯瞰する理性を象徴しているように感じられます。天使と悪魔の板挟みになった主人公はどう動くのか。結末に教訓が示唆されているようにも感じられ、考えさせられる作品でした。
現代を生きる若者という設定から、一気に古典の名作の世界に引き込まれたような感覚。これは秀逸な作品です。