本心

 凶悪なほど恐ろしく、背徳なほど面白い。

 修道士は、語られるいきさつからして修道士以外になりえなかったろう。職業にせよ、性格にせよ。

 獣はそんな事情をあっさりと叩きのめす。読んだあとでさえ、舌なめずりする音が聞こえてきそうだ。

 必読本作。