竜導師の才能がありながらも、女の子というだけで夢が妨げられてしまうエルマ。政略結婚の必要性を感じながらも、五人も妻がいる男性に嫁ぐのに異議を唱えている王女ミンツェ。
そんな二人が、王国の難事に向き合う王道ファンタジーです。
なのですけども……。
エルマの性格が私は相当好きなのです。夢を妨げられてそれを突破していくのは、相当気が強い主人公じゃないと無理だと先入観を持たされていたことに気づきました。でも、この物語のエルマは控えめで心優しい、おとなしくて気が弱いタイプの子です。その子が様々な人と出会って、才能を開花させていくのは、我が子の成長を見ているようで感動しました。そして、そういう子は障害をものともせず、ただひたすら愚直に自分のやるべきことをします。すると壁などなくなるのです。
ミンツェ王女も、まだ政略結婚の話が切羽詰まるのは先でしょうが、物語を引っ張っていく強さを感じます。
この二人のバディの安定感と言ったらありません。
気弱になりがちなエルマをミンツェが振り回し、引っ張り回していく。それはとても爽快で、愉快です。
第一部で一つの難事が解決しました。陰謀や魔法などが入り組んでいて、読んでいる側もどきどきしましたが、逆にその筆力に感動しています。
続きではどんな難事が待ち構えていて、エルマやミンツェはどうなっていくのか、大変楽しみです。
子どもでも読みやすい児童文学の雰囲気がありながらも、大人が読んでも全く遜色ない物語です。
ページを開けば脳裏に広がる素晴らしい世界。
飛竜のいる世界、拾われた金の髪の少女、養い親である竜導師の老人との別れ、新しい出会い……
もう、ワクワクする単語しか出てこないと言っても過言ではありません(笑)
図書館で夢中になってページをめくった子ども時代が蘇るような作品です。
親子で読むのもいいのではないでしょうか。ハードカバーで販売されていたらぜひ買いたいな、と思える一品です。
あなたもエルマと一緒に冒険をしてみませんか?
突然ですが、読書が好きになったきっかけは何ですか?
私にとってのきっかけは、小学校の図書室で見つけた数々の児童書との出会いでした。
あれから◯十年が経ちますが、今でも物語が好きで、それが高じて小説もどきを書いてしまうのは、あの時の出会いがあったからでしょう。
良質な児童書は、たくさんの子ども達を物語世界の虜にしてくれて、その後の人生をほんの少しだけ左右します。(ここに実例が!)
そして◯十年経ってから読み返した大人達には、年を重ねるごとに忘れてしまっていた大切な何かを思い出させてくれるのですよね。
本作は、まさにそういった、年代を問わず多くの読書好きを引き込む魅力に溢れています。
物語の舞台は、飛竜が存在する世界。
飛竜は、竜目石という石を用いて、竜導師によって呼び出されます。
少女エルマは竜導師ソーの養い子。物語開始時の彼女はまだ十三歳にもかかわらず、竜目石の声を聞き、飛竜を呼び出すことができます。
誰もが驚く才能ですが、エルマはそれを大っぴらにして活かすことができません。なぜなら、女の子は竜導師になってはいけないから。
しかし、ひょんなことから運命は動き始めるのです。エルマは次第に、国家規模の陰謀の渦中へ……。
いかがですか? ワクワクしませんか?
私の拙い文ではあまり興味がわかなかった方、すみません! でも大丈夫です。本作を読んでいただければきっと、胸躍るはず!
まずはページを開き、出会いと成長と冒険の胸躍るファンタジーの世界へと、足を踏み入れてみてください!
空を飛ぶ竜のいる世界のお話になります。
竜のお話は最近たくさんありますが、こちらは異世界ファンタジー、
ライトノベルというよりか、児童文学のような雰囲気です。
子どもから大人まで満足する作品です。
竜目石というのは、竜を呼び出すことのできる特別な石で、
呼び出された竜と契約を結ぶと、竜に乗ることができます。
『王国に捧げる鎮魂歌~巫騎士ラシェリと飛竜乗りのソーの物語~』
の後の時代のお話になります。
『王国に捧げる~』の方が外伝だそうですが、まだ完結しておりません。
また本編からでも、どちらから読んでもいいですね。
外伝・本編も同じく、鍵を握るのは〈炎の竜目石〉です。
いつもの竜目石とは違う炎の竜目石にどんな謎が秘められているのか?
主人公のエルマは幼い頃、アール兄ちゃんに拾われたのですが、
エルマの手には赤い竜目石が握られていた。
もう一人の主人公、じゃじゃ馬姫のミンツェ王女。
エルマと出会うとき、外伝の物語の謎が本編で
解き明かされるのかもしれません(まだわかりません)
国と国の争い、飛翔する美しい竜。
壮大で王道ファンタジーの世界に浸ってください。オススメします☆
竜と人を繋ぐ仕事、それが竜導師。そんな竜導師ソーの下で拾い子として育てられたエルマ。
飛竜の教えを授けられ、いつか竜導師になる事を夢見ていた。けれども、女は竜導師になる事はできないと知る。
エルマには竜目石(竜を呼ぶための石)を見つける才能と、竜を呼ぶ才能があるのに。
16歳で結婚しなければ、女はいき遅れと言われたり、金髪碧眼の容姿で流民の子と卑下される事があったりと、何かとエルマには厳しい状況もある。
けれども、共に育った実の兄のような関係のアールの存在が支えになっていたりと、エルマの周りは冷たいばかりではない。
竜と共にあり、その背に乗って飛ぶ姿、これぞファンタジーと思えるワクワクするようなしっかりと構築され世界観に個性があるキャラクター達。
小さな竜の谷村から始まり、少しづつ開けていくエルマの世界と共に、物語も広がりを見せていく。とても読みやすく、色んな方にオススメできます。特に、壮大なファンタジーを楽しみたい方にオススメです。
冒頭では、少年が主人公かと思わせる描写でしたが、いつの間にか少女が主人公と変わり、運命の歯車が回り始めます。
様々な人たちと関わることで、エルマの人生はどんどん動き出していき、強くなろうとする姿と、周りに渦巻く闇や謎が、どんどん深くなっていきます。
序盤で登場するキーアイテム『赤い竜目石』には、一体何が秘められているのか?
エルマはどこから来たのか?
飛竜と人との繋がりとは?
裏で蠢く思惑とは?
物語が進むに連れ、謎が謎を生み、個性豊かなキャラクターたちにも、ゆっくりと引き込まれて行く感覚を味わえます。
まだ3章までしか読めてませんが、優しくドキドキするファンタジー。
エルマを取り巻く運命がどうなっていくのか? ドキドキ、ハラハラしながら、追いかけたいです。