第5話 ステータス


 佳樹の装備と似た真っ黒な装備を着用し、腰と足に付いているケースにナイフを差し込む。


 「勝。このナイフ一本借りても良いか?」

 「別に良いぞ。確か、お前の得意なバタフライナイフなら、そこの箱に入ってる筈だぞ?」

 「そんなの使わねぇよ。普通のサバイバルナイフの方が汎用性が高いだろ。」


 などと言いながら、バタフライナイフの感触を確かめてる奴が目の前に居るんだが?


 「それより、今回の地震どれくらいの被害だと思う?」

 「そうだな・・・地震の強さだけで言うなら過去最大級、下から突き上げるような直下型地震だったことも考えれば、建物の倒壊が数多く起きているだろう。」

 「余震や横揺れを一切感じなかった部分に関しては、不気味だったな。」

 「まぁ、そんな地震もあるんじゃないか?」


 二人で身に付けた装備を互いに確認し、近くにある軍用リュックに必要な物を詰めていく。特に、水だけは出来る限り持って行きたいところだ。

 そんな感じで荷造りを進めていた時、佳樹が話しかけて来た。


 「なぁ、勝。俺の気のせいかもしれないんだが、地震が起きてから身体が軽く感じないか?」

 「そうか?んー、確かに軽いな。今なら全盛期よりも速く動ける気がするぞ!」


 軽く屈伸運動をしながら、身体の状態を確かめる。

 佳樹も俺の後ろの方で確かめているらしく、動いている気配を感じる。


 「・・・もしかして、レベルアップでもしたのか?」

 「・・・・佳樹、お前何言ってんだ?俺がお前にファンタジー系小説の沼にハマらせたのは謝るから、そんな冗談は辞めてくれ。」

 「・・・・・・・・・・・・・・おい。」

 「何だ?」

 「一回、『ステータス』って言ってみろ。」

 「はぁ?今遊ぶのは・・・・・」


 後ろを振り向くと、顎に手を当て、何も無い空中を見ながら真剣に何かを見ていた。

 流石にこれを見て何かを察した俺は、『ステータス』と呟く。すると、目の間に薄く赤色に光っている、タブレット端末画面のような物が浮かび上がった。


 「マジかよ・・。」

 「勝も出て来たか。ちなみに、なんて書いてある?」


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【名前】海道 勝/カイ・マサカド

【年齢】26歳

【階級】一等陸佐


【レベル】45

体力   1980/1980

体力   1980/1980

精神力  1790/1790


【スキル】

 言語学LvMAX、並列思考LvMAX、気配感知Lv5、射撃LvMAX、近接格闘術CQCLvMAX、整備Lv7、空走Lv3、コマンドLv6、装備召喚Lv5、日の目LvMAX


【称号】

元空挺部隊所属、生還者、挑戦者、日本の嫌われ者、他国の英雄


【部隊】


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 「どうだった?」

 「・・俺の情報が全部の載ってやがる。向こうで使ってた偽名もな。」

 「やはり同じか。それにしても、お互いのステータスは見れないようだ。」


 試しに、佳樹のステータスを見ようと思ったが、ステータスの文字が、ぼやけて見える。

 佳樹のステータスを見ることは諦め、自分のステータスに視線を戻す。


 「いまいちピンと来るスキルが少ないな。『整備』とか『射撃』は分かるんだが、『空走』やら『装備召喚』やら、もっと詳しく書いてくれなよな。」


 そう言いながら何となく『空走』の部分をタッチすると、画面が切り替わり『空走』の詳細が出て来た。


 「・・マジか。俊樹、気になった項目をタッチしてみろ、詳細が出てくるぞ!」

 「そうみたいだな。これは・・・・鳥肌が止まらんぞ!!!」


 佳樹が後ろで興奮しているが無視しておこう。・・・どんな良いスキルがあったんだろうな。

 取り敢えず、ステータス画面に映し出された『空走』の詳細は、こうなっていた。


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【スキル】 空走

 空中を走ることが出来る。

 毎分、精神力を15使用。


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 うん、短い。もうちょっと分かりやすくならないのか?

 それにしても、空中を走れるのか。これは、外に出たら試さないとな。もし、本当にスキルが使えるのなら・・・・これからの動きを考え直さなければいけないだろう。

 そんなことを考えながら、『装備召喚』の項目をタッチする。


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【スキル】 装備召喚


 己が装備だと認識する物を召喚する。

 召喚される物の大きさや構造によって精神力の消費量に変化。

 精神力不足の場合、召喚は取り消しとなる。


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 「さっきよりは分かりやすいが・・・ちょっと試してみるか。・・装備召喚!!」

視線を足元から逸らさないように気を付けつつ、言葉に出してスキルを発動すると、視線を向けていた場所に魔法陣が広がり、魔法陣の中からは『

 

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時代遅れの戦争経験者~日本では犯罪者⁉海外では英雄⁉~全員黙りやがれ 未来アルカ @syeaksupia

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