反抗

 意図的にまとまりを崩しつつ、軸になる主題……卑俗になら『金』だし文学なら『対価』…… はしっかり残した確信犯的作品。

 主人公の親戚について、単に下品だ醜悪だとする意見はもちろん大いにある。現代風に、ある種の記号と捉えて逆説的に主人公の心境を読み解く考察もまた可能。

 いずれにせよ、誰に感情移入するかは読者次第だろう。

 必読本作。