下げ。

 そこまで聞くと鮎子は立ち上がり、そのまま何処かへ駆け出した。

 鮎子は誰の家にも火を放ってはいない。だが、鮎子が男子に送ったプレゼントは、ぬいぐるみ、だった。

 鮎子は先日、その男子と別れたばかりだ。


「——おやおや? 噺はまだ残っているというのに。お嬢さんは果たして、どう処分するのでしょうな? 布でできたぬいぐるみはわば、燃えるゴミ。彼女はその事に気づくのだろうかな? それに気づいた所で、中身を取り出すというのは腹を裂くという事。ふふふっ、くく、くっくっくっ————」


 


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 ぬいぐるみ。 Y.T @waitii

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