うちのぬいぐるみ
九十九 千尋
ほんのりとしたホラーかもしれない話
その昔、中学の頃、筆者である九十九は霊感少年でした。
しかしそんな巷で言われるような、怪奇伝奇な超能力などが備わっているタイプではなかったと――僕が記憶する限りでは無かったと――記憶しています。
また、霊感があると言っても常に霊感があるわけではなく、見える時と見えない時があるタイプでした。
昔から空想好きで、例に漏れず中二病にかかり、同級生で自称霊感があるという友人もいたことから、そういった目に見えない物へ憧れを抱いていた少年でもあるという、面倒な、もとい、年頃な思春期を迎えていたあの頃。
思い返せば、更に幼い頃には見える体質ではなかったのに、あるタイミングから見えるようになっている気がするのです。
ある日、遠方に住む叔母から、ぬいぐるみをプレゼントされたのです。
熊の、所謂テディベアです。元々僕はぬいぐるみなど、ふわふわモコモコが好きなタイプなので、送られたぬいぐるみはそのまま我が部屋の住人になりました。
せっかくなら、そのぬいぐるみに名前が欲しいと、名前を付けることになったのですが語彙力が無い中学生の頃。
なんとか良い元ネタは無いかとぬいぐるみのタグを見ると「
しかし英語が今も当時も大の苦手な僕はmiddleが読めなかった。読めなかったもののなんとかそれっぽく読んで、なんとなく頭に浮かんだ単語をそのぬいぐるみの名前にしました。
お察しの通り、直感から名付けたこのぬいぐるみが部屋に来てから、心霊体験が増えた気がします。
では、Mediumという単語を辞書で引いてみましょう。
中位、中間、媒体、霊媒
ミディアムさんは今も僕の部屋に居ます。
ちなみに余談ですが、今ではすっかり霊感は無くなりました。
時々、何かの気配を感じてミディアムさんと目が遭いますが。
うちのぬいぐるみ 九十九 千尋 @tsukuhi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます