子リスのやきもき観察記!女避けか?牽制か!?
弥生ちえ
女よけ「ぬいぐるみ」は誰からの牽制!?
コワモテ幼馴染が、急にカバンにぬいぐるみマスコットを付けだした。推しのキャラじゃない。ガチの可愛い子リスの。どうした恭介?
こやつにそんな趣味は無いのは良く分かってる。
いつも通りに美術室の窓際に置いたイーゼルの影から恭介の姿を目で追う。小心な自分はこっそり見てるだけ。今まで一度だって目が合ったことはないから偽装はバッチリだ。
イーゼルの木目がちょっと目にうるさいけど、気にしない。
「女よけ……か?」
まさかだけれど、そんな憶測しか出来ない。
野球部キャプテンでピッチャー。ライバルは多い。
誰だよ相手は!自分じゃないことは確かだ。持ってないからね。
幼馴染みとして特別な位置にあると思っていたのは思い上がりか!?
一番疑わしいのはマネージャー緑谷!あいつのカバンには?
うん、付いて居ない。
じゃあ、これは誰のマーキングなんだ?
誰からの牽制?
「またコソコソ見てんの?」
「うわ、志村っ!急に話しかけんなよ」
手にした
仕方ない、今日のこっそりグランドを見下ろす至福の鑑賞タイムは終わりだ。
慌てて拾い上げた
校門でいつも通り恭介に会った。
「よぉ」
「あれ?野球部、とっくに終わってたんじゃないの?」
「今終わった」
「ふぅん」
カバンには、見せつけるみたいに水色子リスが揺れる。
こちらの視線に気付いて恭介が気まずそうに視線をさ迷わせる。
「なんだよ、コレ」
お揃いの誰かへの嫉妬が表れてちょっと嫌な言い方になったかもしれないけど、気にしない。
「あー……これ、まいっか」なんてもごもご口ごもりながら思い切った様にこっちを見るなよ。何だ!?お揃いの相手なんて聞きたくないぞ!?
「いつも木の影から窺ってる誰かさんに似てるだろ?」
蕩ける笑顔が向けられた。
子リスのやきもき観察記!女避けか?牽制か!? 弥生ちえ @YayoiChie
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます