王太子や聖女の間に何があったのか、王太子の婚約者である令嬢の視点で淡々と綴られています。その令嬢の淡々ぶりが、世間知らずなようでいてどこかホラーめいており、良い意味でゾッとさせてくれます。国外追放となった令嬢のその後ですが、後日譚を読む前と後で、大分印象が変わります。これだけ頭が切れる令嬢ですから、きっと何かあるに違いない、と思わせられるのが良いですね。
本来は、とうてい悪女とはいえない令嬢の、復讐譚。 一話読み切りに、読者の要望で二話追加され、物語の奥行が深くなっています。 王子やその側近の、色欲にまみれたひどい行状、それによって、不幸になってゆく女性たちの悲惨な姿がわかります。 令嬢の頭脳的な復讐の結果、王子はもちろん、これからの王国がどうなっていくか、あなたも予想してみてくださいね。 興味深い作品です。おすすめします。
短編なのでこれ以上はネタバレ。応援してます!