キアラは亡国の王女。
家族をすべて失い、たったひとり生き残った、王族です。
某伯爵夫人に拾われ、王女の身分を隠したまま養女になりました。
キアラの引き取られた伯爵家は、実はキアラの国を滅ぼした敵国。
それでも、優しい伯爵夫人に親切にされて、静かな生活を送っていました。
そんなある日、キアラに皇帝の側仕えの要請が。
どうやら、お妃候補を見定めるための要請のようです。
国を滅ぼされ、家族を殺されたキアラはどうするのでしょうか。
徐々にあかされていく戦争のいきさつとも絡み合い、キアラの選ぶ道とは。
宮廷での溺愛ロマンス、お楽しみください。
これは突然の軍事侵略によりすべてを失った王女が辿る数奇かつ愛のある運命の物語。
主人公「キアラ」は伯爵家の養女として、かつての敵国で静かに日々を過ごしています。
物語は、キアラが陛下の妃候補として王宮に出向くことから始まります。彼女は内心では断固として拒否していますが、育ててくれた養母への恩義から、心を隠して王宮に出向くことを決意。
見所は、亡国の姫と若き国王、心に秘密を抱えた二人をめぐる恋の物語で、よくある溺愛では収まらない奥行きがあり、戦争に巻き込まれた者たちの戦後の心の在り様を描く人間ドラマでもあります。
特に、健気で芯の強いヒロイン・キアラが、過去や感情に向き合い、成長する姿が描かれ、その中で明らかになるキアラの両親を討ち取った人物の正体や、その人物を討ち取った者が伏線にもなっている事実など、謎が解き明かされる瞬間も見所の一つ。
そして最後の秘密。愛ある故に愛を拒んだその訳を知り、単なるツンデレ物語とは一線を画すものとして読者は感動を覚える事でしょう。
この物語は、恋愛要素と人間ドラマが融合した非常に魅力的な作品で、とてもお勧めしたくなる逸品です。
読了しましてからのレビューでございます。
友好国からの突然の軍事侵攻により、愛する祖国を失った王女と、敵であるはずの国の現在の国王(侵攻時の王は実父です)。
本来ならば、巡り会うはずのない二人が、もつれ、苦しみ、悩み、そして……。と、愛を深めていく様子が、美しく、優しく描かれております。
しかしながら、優しいだけではなく、辛いことも、悲しいことも、哀しいことも作中に描く作者様の素敵なイラストも、本作に何輪もの花を添えておられます。
重厚で、繊細で、優しい物語です。
深さのある物語を読みたい、と思われる皆様に、ぜひ。おすすめ申し上げます。
レビュー時最新話(七話)まで読んだ時点でのレビューになります。
基本的には女性向けの王道ストーリーラインを追うお話。
そこに過去の戦にまつわる色んな謎を解いていこう、という軸が加わり、深みが増している。
今のところ、戦の謎については手がかりもなく、どこから手を付けていいのかわからない状況であるのだが、そんな状況でも国王陛下はグイグイくる。
他の妃候補を華麗にスルーし、主人公であるキアラを気にかけ、キアラが他の男と会っていたらちょっとやきもちをやく程度にご執心の様子。
そんな陛下に少しでも絆されるかと思えば、(断固拒否)のスタンスを誇示するキアラのメンタル強すぎでしょうw
今後も恋の駆け引きと共に、謎にまつわるアレソレが紐解かれていくのが楽しみです。