第48話 これが本当の俺たちの戦いはこれからだ!ってヤツだ
激闘は終わった。
俺たちは、帰るべき場所――古びたアパートに帰ってきていた。
足取りは重い。
しかし――とにかく俺たちは生き残ったのだ。
ルージュは
4枚の翼を持つルージュと互角以上に戦う元人間か。
今後も強敵になりそうだ。
スカーレットはセルリアンを
彼女によれば、恐らく生涯苦しみ続けるだろうと言うことだ。
そして俺は
魂と神器が癒着した結果、思いもしない威力を発揮したその黒刀は
――そしてセピアたちは。
「私たちは身を隠す事にしたよ」
バーミリオンは自嘲的な笑みを浮かべながら告げた。
俺が何か言い出すと思って先手を打ったってところか?
「そうか……」
俺としてはセピアには
だが、彼女たちの立場を考えると、そうもいかないのも確かだろう。
「我々の立場は微妙だからな。」
「そうでしょうか? 私は
セピアはやはり
甘いようだが、俺はそれで良いと思う。
俺はそんなセピアに惹かれたのだから。
バーミリオンはそんな彼女に噛んで含めるように言い聞かせる。
「念のためさ……。
何やら思わせぶりな発言だな。
「セピア、元気でな……死ぬなよ?」
「先輩、
セピアの笑顔が少し歪んでいた。
今にも涙がこぼれそうなそんな顔だ。
「セピア、短い間だったけど楽しかった。お前に会って俺の世界が変わったんだ。感謝してもしきれないくらいだ」
「先輩は本当に変わりましたね。もう私が傍にいなくっても平気ですね」
「馬鹿だな……俺を巻き込んだのはお前だろ? 勝手に巻き込んで勝手にいなくなるなんて許さないからな」
「もう……先輩は我がままですね」
「言ってろ」
セピアの顔が崩れていく。
そんな顔は見たくない。
「……見ててくれ。必ず俺が何とかしてやる。未来で待ってろ」
俺は少しぶっきらぼうに言い放つ。
照れくさいが
「はいッ!」
そう言うとセピアは最高でとびっきりの笑顔を見せたのだった。
色を取り戻し、暮れなずむ夕陽に向けて天使たちが羽ばたく。
―――
「行っちまったな」
「
「そうだな。これからが大変そうだ……」
俺はしばらくセピアたちが姿を消した方角を見つめ続けた。
ほうッと息を吐いて天を仰ぐ。
何だかしんみりしてしまった。
らしくねぇな。
俺は再び、彼女たちが去った方角を眺めるが、そこには既にその影はない。
ビル群の間に沈む夕陽がまるで血のように感じられて、その不吉さに少し憂鬱になりながら今後のことに頭を巡らせる。
考えると頭が痛い。
が――俺の心は決まっている。
そしてことが真実ならば、殴ってでも止めてやる。
今回の戦いで終わりではない。
これは全ての始まりなのだ。
そう心に言い聞かせながら俺はくるりと踵を返した。
DRUG TREATMENT rev2 波 七海 @naminanami
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