第101首 額田の大君(万葉集)

君待つと吾が恋ひ居れば我が屋戸の簾動かし秋の風吹く


※※※※※※※※※※※※※※※


あなたが早くおいでにならないかと恋しく思いながら待っていると、私の部屋の簾が秋風に吹かれて動きます。あなたが来たのかと思いましたが、姿は見えませんでしたよ。


(出典:Rekisiru)

※※※※※※※※※※※※※※※


「ふっ・・・」

私の最近の癖。


口元が綻んだ後。

寂しさが私を包む。


私の部屋の御簾が動くたびに。

心が乱れるのです。


そう。

まるで幼子のように。


貴方のひどい仕打ちを。

恨んで何度も泣いたけど。


それでも。

貴方を待つ私は。


余りにも滑稽で。


小さく。

笑みをこぼしてしまうのです。


※※※※※※※※※※※※※※※


イラストはこちら。


https://kakuyomu.jp/users/0035toto/news/16817330661917913428



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

歌人(うたびと)達の風景(百人一首まとめ) 進藤 進 @0035toto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ