作戦会議!

 途中で寄ったアイスクリーム屋さんでアイスを注文しながら席についた。

 このお店はよくは来ないけど、特別な日だと思った時に寄っている。


「作戦会議を実施する。」


「発言よろしいでしょうか。」


 城ヶ崎が手を挙げた。

 私は手を前に組んで両肘をついて顔の前に持っている。

 対面にいる彼に、


「発言を許可する!」


 と勢いよく言うと少し驚いて、


「ちょっと抑えて抑えて」


 どうどうと手を下に動かす動作をしているものだから。

 カチンときながら、私に非があることは承知の上で彼に笑顔を向けて続きを促した。


「今日は何の作戦会議なのでありましょうか閣下!」


 先の気持ちからは離れてプフッと笑う。


「閣下はやめてちょうだいね、女王にしてくれるかしら」


「ああ、今話題の悪徳令嬢ですね」


 睨みつけると


「ええ、女王様、何なりと」


 とおっしゃる。


 ふざけ倒した御方だわ。


「では質問に答えよう。今日は、赤月と白波の攻略作戦会議だよ。」


--------------

作戦会議!

--------------



「我々の本命でありますね。」

「ええそうよ。」


「何か考えがおありで?」

「うーん、白波は難しいけど、赤月の方は簡単だと思うの。」


「なぜ」

「だって、赤月だって……」


 赤月の本命も白波ではないと思う。いや待て、調子乗らせないほうがいいかも。

 と思い、この後は伏せようと思う。


「だって?」

「いやなんでもない、二人も難しいかもしれない。」


 それに加えて、すぐ二人が付き合ってしまったら、こちらの白波作戦に手伝ってくれないかもしれない。それは避けたい。二人も難しいと思わせてこの作戦への参加をさせなければ。


「白波が難しいと思うわけは?」

「あいつ人に興味なさそうというか、どうでもいいって考えてそうというか、人を駒としか考えてない気がするの。」


「よくそんな奴を好きになったな」

「なんか言った?」


 ううん。と首を振って複雑そうな顔をする。ううん、なんでもないと言ってなんでもなさそうな顔をするように。


「まぁだから、あいつが人間に興味が湧くように、なんかめんどくさそうな企画を組んで強制参加させれば、興味と愛着と、生きる希望ってのが見つかるんじゃない?あいつもさ、楽しいことしたいから部活作ったんじゃないかなって。」

「ええーあいつそうかな。」


 となんだが怪訝そうな顔をしているが、続けてこう問われた。


「じゃあ、何する?」

「そこは決まってない。何かあいつのきっかけになるポイントが見つかればいいんだけど、そういうの知ってる?」


「知らない。」

 だよね。

 そうだよね。

 やっぱり、あいつのこと知りたいんだよなぁ。


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