わかってるはわかってない
私は、辞めるということを聞いて走り出していた。
なんで辞めちゃうの?
私が付き合おうって言って、別れることになったから?
気まずいから?
言葉が足らないよ。
別れるのが最善だと思って二人は別れたけど、二人でこれから本当に好きな人と一緒になれるように助け合ってく友達になったと思ってた。
でも、何も言わずに辞めるなんて、遠くに行っちゃうじゃん。
「白波から聞いたよ。部活辞めるんだって?」
まだ城ヶ崎は帰る途中だった。
「ううん、辞めるんじゃない。辞めた。」
言葉は出なかった。代わりに
は?という口になった。
「ああ、辞めたと言っても、まぁ、その俺たちちょっと気まずい気がしてさ、何日かしたら戻ろうかなというか、一時退部みたいなものだよ。」
はぁ?という口になった。
それ、結局ズルズルいってなんとなく理由つけられて、今更とか言われて辞めるやつだ!
「あああ、ごめん。」
「はぁぁ、すぐ謝んなよ。でも一時でも言って欲しかった。」
「え?メールしたぜ?」
「はぁ?メールなんて見ないし、そういう大事なことは直接でしょーが!」
「ええ、そういうのは直接だと言いづらいというか、これでもメール送る時でも緊張したんだぜ?」
「うざい、口答えするな。もう部活一時退部も許可しない。」
「え?権限ないでしょ。」
「そういうことじゃない、無理にでもあいつに許可させないから。ああそれと」
「わかってるって。アイスクリーム奢るから。」
わかってないなぁ、この男は。
そういう顔をする。少しの嫌悪まじりだ。
「なんだよその顔は」
「当たってんのよ。アイス食べながら、今後の作戦会議するよ。」
「え?なんの作戦?ちょっとー」
私は先を歩いた。
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