自分には無い、だが確かにそこにあった

僕は小説を読む時、その描写をアニメやドラマのように頭の中で映像化されます。

有名な著者が書いた作品でも、見た目や風景を読者に委ねるものもあり、それはそれで余白を自身で埋めることによって想像力が膨らみます。

この作品は主人公の感情の変化や、事実に想っていることだけでなく、表情や匂いまでも、まるで目の前に実在しているかのような錯覚に陥らせてくれます。

全ての描写が素直に表現されており、委ねられる余白が少ない分、読者も素直にこの物語に没入することができます。

経験したことが無いのにも関わらず、イフの世界線でこの物語を擬似体験をしているような、そんな作品です。

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