ざまあたいむがクライマックスって、これは新型ラノベ、なのか?

まず最初に書きます。
この小説は古くもあり、新しくもある、と。

基本的な筋書きは時代劇です。実直な登場人物が腹黒い登場人物に脅される。あるいは殺される。
そして番組終盤で、無敵の俺Tueeeeな主人公が腹黒を叩きのめしてぶち殺す。
壮観です。つかえが取れてカタルシスが訪れる。

このお話はこれを連続的に綴っていて、しかも発表メディアがカクヨムというところが新しい。
普通だったらオンライン発表はしないで、純文学公募に応募します。
しかし、それをしなかったという点では正解だと思いますし、さとうはるきさんの慧眼だとも思います。

だってさ、カタルシスって誰でも欲しいよね。

文章はとても上手でスラスラと読み下せます。最初のうちのタメ(読者の憎悪を盛り上げるための展開)が少し辛いのですが、そこを耐えると目が覚めるようなカタルシスが生まれます。
登場人物の設定やヒロインの設定もいいですね。ただ、展開するのは後の方になるので、前半の盛り上げが欲しいところ。
ここにはエッチなエピソードを挿入してもいいかも知れません。ヒロイン使い捨てとかもいいかも知れませんが、そこはさとうさんの匙加減で。

そうか。これはライトノベル版の半沢直樹なんですね。悪役が喰らう仕返しは100倍以上の返ですけど。

土台もしっかりしているし、今後が楽しみ。
とりあえず社会人経験が多少なりともあるのであれば、ぜひ読んで欲しい作品です。

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