離婚して実家に帰り幼馴染と再会したら、彼女はシングルマザーになっていた。

さとうはるき

第1話 故郷に降り立つ。

 港に到着したフェリーから、少し不安定な足場を渡り僕は船を降りた。


 中学まで住んでいた故郷の離島。生まれ育った町。島全体の人口は約四百人。島の学校は中学まで。高校生になると、僕は実家がある離島を離れ、本島の全寮制の男子高校に行った。高校を卒業してからは、一度もこの地に帰っていない。


 ため息を吐き、どんよりとした重い気持ちで周りを見渡す。約十年ぶりの地元の町並みは、昔とほとんど変わっていなかった。


 港から約三百メートル離れた場所に僕の実家はある。荷物は宅配便で送っているので、手ぶらの僕は歩いて家へと向かうことにした。


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