ノラネコ

作者 ☆涼月☆

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★★★ Excellent!!!

眼の前に横たわる巨大で抗いようのないレール。背後に逃げ道はない。

そんな失意の中で見つけた小さな日溜まりは、今日を生き延びるための温もりをくれる。

日溜まりを壊さぬよう、そして自身が壊れぬよう、大切に、そして臆病に…

唯一の拠り所に接する際の、言葉で言い尽くせないような主人公の葛藤と心情を、巧みに描いた名作です。

★★★ Excellent!!!

家族問題を抱えた男女の恋愛譚。
メインキャラの二人は、お互いに惹かれ合っているのですが、一歩踏み出すには彼らの周りには問題が多すぎて……

すごくリアル!
彼らに近い問題を抱えていて、恋愛に臆病になってる人、きっと沢山いらっしゃるはず。
共感できる人、多いと思います。

しっとりと切ない恋愛が読みたい人にオススメ。
短編なので、すきま時間に読めるボリュームです☆

★★★ Excellent!!!

 父親の浮気が原因で離婚した両親。主人公は母親に引き取られる。しかしその母親は主人公の人生を束縛する毒母だった。そんな主人公は、いつも夜の公園に向かう。そこで会ったのは、かつて近くに住んでいて、引っ越していった青年だった。その青年もまた、親によって自分の人生を奪われていた。
 やっと毒母の呪縛が緩んだ矢先、主人公の母が倒れた。
 そして、思わぬところで青年と再会する。

 野良猫のように、自分の居場所が定まらず、飼い主の温もりも知らぬ二人。
 果たして野良猫のような主人公と彼の行き着く先は——?

 是非、御一読下さい。

★★★ Excellent!!!

月明かりの下、二匹のノラネコが傷を舐めあっている――

そんな光景が浮かびました。

このまま依存になってもお互いが抱える問題は何一つ解決しないのに、それでも求めてしまいたくなる切なさと哀れさ。

介護という生産的ではない背景を持ちながら、結婚を前提としない非生産的な関係を持とうとしているふたり。

彼の(現在の)状況が書かれていないので、想像するしかありませんが、(想像を働かせると)とても大きなやりきれなさの渦に巻かれてしまいます。