After Story.
「mon chéri」
「ん? なぁに」
「昔、サンジェルマンデプレに住んでいたご主人がよく奥さんのことをそう呼んでいたんだよ」
「えっと」
「僕にこの言葉の意味は分からないが、きっと君のようなものをそう呼ぶのだと思う」
「わ、わたし……フランス語は習ったことがあって……」
「あぁ、そうだったかい?」
僕はあわあわと慌てふためく彼女の顔を見ながら微笑む。僕もこの意味を知っている。昔のご主人様が奥様に言っていた時、奥様もまた今の君と同じ顔をしていた。
「モンシェリ」
――僕の愛しい人。
飛べない鳥のセレナーデ 虎渓理紗 @risakuro_9608
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます