第37話
そして最後に
妖怪達と毎日会って気が付いた事が一つ。
それは「見る気満々でも妖怪達は見えない」という事。一番最初に言ったばぁちゃんの言葉に付け加えます。
見る気満々でいる事自体、もうすでに妖怪が見えないフィルターを作ってしまっているんですよ。身構えも心構えも必要ありません。何より妖怪は会う者なんですから。霊や幽霊が視える霊感も第六感もいらないのです。
視る者ではなく会う者。だからむしろ五感全てで感じて下さい。大人だから子供だからという考えも不要。私が思うに妖怪とは自然の一部なんです。
妖怪はとても長い年月生きますが、不死身ではありません。土へと還り、また妖怪として生まれ生き続ける。自然の摂理と同じだと思いませんか?
そして会う者であり出会う者。皆さん、海や山を見て怖いと思いますか?風を感じ小川のせせらぎを聞いて怖いと思いますか?妖怪達は、そんな自然に上手く溶け込んでいる。溶け込んでいながら、人間を驚かせるのが妖怪。妖怪は驚かせたりイタズラするのが大好きなんですよ。
そんな、妖怪達と一緒にいて感じる事は妖怪は人間が大好きだという事。大好きだからこそ大昔から人間の側にいるんだなぁと思います。
昔に比べて今の時代は妖怪達にとってすごく生きにくくなっているはずなのに、ちゃんと側にいる。
長い年月幾度となく時代の流れに沿って、妖怪達は順応し今に至っている。
皆さん、今度妖怪達に会ったら怖がらず大いにビックリして下さい。そうするとその妖怪はニッコリ笑顔を見せてくれますよ。妖怪は誰だって出会えます。試しに名前を呼んでみたらいかがでしょう?あぶジィみたいにヒョッコリ顔を出すかもしれませんよ。
妖怪は基本的に気まぐれで、余計な事を考えない
。マイペースであり、たまにおっちょこちょい。姿形はヘンテコですが、温かくて優しくて何より『何か』をちゃんと持っている人間の友達です。私だって油すましのあぶジィが新しい家族。
どうしても妖怪に出会えないのなら、ゆっくり目を閉じて耳をすましてみて下さい。たくさんの音の中でだんだん、ボソボソと何かが会話している声が
聞こえませんか?きっと妖怪達がおしゃべりしているのでしょう。
皆さんは、どんな妖怪と出会いたいですか?
完結
楓子さんの日常 立花万葉 @sumire303
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