第35話
俺からの情報でソ連邦とUSAが合同作戦で海から陸にいる彼女達に海水放水して対処しているようで徐々にユーラシア大陸を取り戻しつつあるようだ。
彼女達は人の気配が多い場所に寄ってくる習性があるのか海から陸ギリギリまで近付いておびき寄せているらしい。
本当は俺が釣り餌となって彼女達を集めて一網打尽にしようと思ったが却下された。解せぬ。
だから、今は難民艦で過ごす羽目になっている。大陸を完全奪還後はどうなるかは話し合っていないが多分、このままUSAに連れてかれそう。日に日に俺専属の警備が増えている。過保護なの?んなわけないか。
この巨大難民艦内部は広すぎて迷子になるからUSA関係者しか立ち入り出来ない区域しか俺は内部のことを知らない。
USA関係者というか部外者の俺が何故、USAの関係者ということになっているのか?この艦には男が俺1人だからだ。
彼女達の大陸蹂躙によって、男女比が傾いたのとこの世界特有の男女のパワーバランス。ソマリアなどのアフリカ大陸とかは男尊女卑社会だったが他の国々は滅んだ日本同様、女尊男卑社会で身体能力も女に劣る男が世紀末に生きられるはずがなく大半が死に絶えた。
生き残った男達はアメリカ大陸の核シェルターにて保護されてる。
そんな中に、俺という存在が突如女の園に現れて騒ぎにならないわけがない。所謂難民達がいる区域に知れ渡ると内戦状態になるから内密にしているということらしい。
でもさ、絶対バレるよな…だってさ前世で隣のクラスとかに尻軽ビッチな女がいるとかビッチと致したとか童貞卒業したばっかもしくは童貞ならペラペラ喋ると思うんだよ。人の口に門は立てられないんだよ。
これがフラグになり、すぐにフラグ回収されることになるなんて予想外だった。
「お爺様、問題が発生したわ。」
「何があった?」
「誰かがお爺様のことを難民達に漏らしたのよ。それで、難民区域の女達が暴動を起こしたわ。」
「あちゃー」
「一応、軍の方で鎮圧に動いてるけど念の為にお爺様はすぐに私と一緒にシェルターへ移動するから着いてきて。」
案の定、ゲロった奴が出てきたか。そうだよなー、知ってた。
「というか、人類同士で争ってる場合じゃないのに皆争う余裕はあるんだな。普通なら穏便に交渉したりとかないのか?」
「艦の1部区域を提供しているUSAにどんな交渉しても無駄だと分かるからだわ。」
「でも、暴動なんて引き起こしてもこっちの印象を悪くしたら更に何も要求出来ないだろ?」
「後先を考える余裕があるならそもそも暴動なんて起こそうとは思わないわ。」
「つまり、何も考えてないのが騒いでるだけ?迷惑な奴らだな。」
「ちなみに、この艦の役割は難民達を保護するものではないわ。問題を起こす可能性がある難民をアメリカ大陸から隔離する目的のものよ。いざとなったら、難民達がいる区画ごと破棄することも視野に入れて計画されているのよ。」
「犯罪者予備軍をまとめて掃除するための艦ってことか?」
「その通りよ。今、暴動を起こした難民がいる区画の隔壁を強制的に閉じてこちらに来れないように動いてるわ。暴動が広範囲いえ、難民全体だと確認が取れたら区画ごと強制パージして海に投棄することになる。でも、お爺様のことを漏らした不届き者がその事まで話していたら非常にまずいことが起きるわ。」
「何が起きるんだ?」
「一応、あちらの方で従事してる一般のUSAの者が避難する際に使う非常用通路があるのよ。それを難民達が使用するとこちらに流れてくることになるわ。」
「だから、念の為に俺達が今避難しているのか。」
「そうよ。そして、私は十中八九で難民達がこちらに来ると思ってるわ。」
「俺もそう思う。けどさ、情報漏洩させた奴って難民区域の方で働いていた一般人の可能性があるのにまとめて閉じ込めないんだな?」
「…一応、軍属ではない一般人となっているけど正確には政治家の子息が縁故採用で一般募集枠に無理やり入ってきたという経緯があって、ここで見殺しにしたら本国に帰還した際に全ての者が処罰される恐れがあるということで決定的な証拠が揃うまでUSAである私達は彼女達を野放しにするしかないのよ。」
「あー、くっそめんどくさいやつね」
「ええ」
世界や情勢が変わっても無能な奴が足を引っ張るのは変わらないという不変的な世の真理により俺とハンナは頭が痛くなった。
それから、無事にシェルターに辿り着いた俺達は1月ほど籠城した。
案の定、難民達が避難用通路から問題の縁故採用された馬鹿女に先導?されてUSA側の区域に侵入。これを軍が応戦。丸腰の相手に容赦なく銃を使用して鎮圧。難民達を盾にして銃撃から逃れた馬鹿女を拘束、尋問して証拠映像をたっぷりと手に入れたことにより馬鹿共々をまとめて難民区画に閉じ込めて区画ごと強制パージして海に投棄。そこでやっとシェルターから出られることになった。
ちなみに、シェルター内で何をやっていたのか?ハンナ含めた護衛21人と致していた。ほぼ休みなく。多分、何人か妊娠しただろう。
家族が増えるよ、やったね!
貞操逆転世界に転生した都合のいい男 比較的汚れた紙片 @sihenwatabaneru
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