このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(140文字)
留学先で知り合い、内助の功をしめしてくれたやさしい女性を捨てる。実はそれだけのはなしです。後日談として、べつの短編がありますが、来日してきてくれた彼女をすげなく捨てます。非道といえば非道ですし、非情といえば非情ですよね。ただ、文学とはそういうロクデナシを描くもの、とはいえます。時代の、その地位の、などもありましょうし。森鴎外の人間性でもありましょうしね。現在の日本語文章が作りなされる直前の作品、という意味でも、おもしろいのではないでしょうか。私は、あまり好きとはいい難いですが。
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