この小説のすごい点を上げれば枚挙にいとまがない。
様々なホラー・怪奇事件を繋いでいったら一つの事件に辿り着くという、まるで京極堂シリーズかのような構成の妙。
読んでる最中にも振り向けばそこに「怪異」が居るのでは……と感じさせる圧倒的リアリティーを伴った描写力。
非常に想像しやすい、怪異の風貌や動き。
歴史に名を残す「リング」「らせん」シリーズを読み終わったときのようなモヤモヤさせられる(いい意味での)ホラー的な後味の悪さ。
作者名、近況ノート、Twitterも小説の内容とリアルタイムでリンクしていたというエンタメ精神。
そして、ついつい真似したくなるワードの数々。(実際、すでにカクヨムやホラーに関係のないところで「見つけてくださってありがとうございます」等の怪しい書き込みを数度散見しました)
と、すごいとこだらけだ。
まだ書籍の刊行日も訪れてないというのに、すでにブームになりつつある。
きっと書籍化、実写映像化を経て、世界に「リング」「らせん」シリーズ以来のホラーブームを巻き起こすこと間違い無しの本作。
しかし何よりすごいのは、なんとこの作品は「作者が初めて書いた小説である」という点だ。
え? 初めて執筆した小説でこの文章力、構成力……?
う、嘘でしょ……?
て、天才じゃん……。
そうとしか言いようがない。
天才の書いた歴史に名を残す名小説。
それが、この『近畿地方のある場所について』です。
ああ……まだ未読の方が羨ましくてしょうがない。
記憶をなくして、もう一度最初から読みたい。
できれば、時間も巻き戻してリアルタイムで。
見つけてくださってありがとうございます。
かきもあります。
●●●●●へ来てください。
わかりやすいホラーではないです。
けれど、読み終わって意味がわかるとゾクリとする。そういう意味では、わかりやすいホラー。
夜に1人で読むのはオススメしません。なぜか背後が気になる。
ならば昼ならいいかと思いきや、夜に思い出して風呂もトイレも怖い思いをする。
また怖い思いをするとわかっていても、ついつい読んでしまう中毒性。
具体的に怖くはないのですが、漠然と妙なものが残る。
淡々とした語り口によって迫る淡々とした恐怖が病みつきになってしまう、ある意味1番怖いのはこの作品を創り出した作者さんの力なのかも。
追記
致死率十割神社という語感が最高すぎて追記しました。
致死率十割神社!
この小説のレビューが書きたいがためにユーザー登録したくらいすごく面白かったです!!
文章がとにかく読みやすい!難しい表現が少なくスッと入ってくるので、それが逆に状況を想像しやすくなって余計怖く感じます。
2ちゃんねるのオカルト板のまとめ等をよく読んでる方はこういった話は大好きだと思います!
全ての話の点と点が繋がる瞬間は読んでいて気持ちがよく、長さ的にも1日暇な日があれば全部読めるくらいなので、個人的にはホラー小説初心者さんに読んで欲しい物語です!
ただ、他の方も似たようなことをレビューに書かれていたのですが、インタビュー形式やスレッド形式など、まるで実際にあったかのような表現が多いので、そういった表現に引っ張られてしまうというか、モキュメンタリー(ドキュメンタリー調の作り話)などを見て「これって本当の話なのかも…?!」と思ってしまう感受性の豊かな方は恐怖を引きずってしまうかもしれません💦