とりあえず近くの喫茶店にでも

 Side常盤 ハルト


 =昼・元の世界・近所の喫茶店=


 近所の喫茶店に戦隊ものの隊員服らしき衣装を身に纏った少女を招待した常盤 ハルト。

 長い黒の髪の毛で、優しそうで綺麗に整った顔立ち、大きな爆乳のスタイル抜群の美少女は、店内の視線を独り占め状態だ。


「とりあえずお互いの自己紹介から」


「は、はい」


 会話の主導権はハルトが握り、話を進行していく。

 常盤 ハルトはこれまでの経緯を話していた。


「えーと、つまりあの変身アイテムは偶然渡されたもので、この世界は私がいた世界ではなくて、常盤さんの世界で――何だかこんがらがってきました」


「まあ元の世界じゃない事は確かだよ」


「は、はい」


「で? 君は何者?」


「それは――」


「秘密にしないといけないなら別にいいよ?」


「え、いいんですか?」


「うん、戦隊レッドって呼ぶから」


「あ、赤城 ヨシコって言います!」


「なんで危機感を感じて自己紹介したの?」


「いや、戦隊レッドって呼ばれ続けるのってイヤだなって思って」


「で、君達が戦っていたのは何なの?」


「クライゾンの事ですか?」


「そう言う名前の敵組織なのね把握した」


 ふとハルトはある重要な事を聞き出すのを忘れていた事に気づく。


「君達は何レンジャーなの?」


「え、えーと魔装戦隊ブレメンジャーですけど」


「そして君はレッドだと」


「はい――常盤さんが変身したのは何なんですか?」


「ライドセイバーダークビートル?」


 正直に答えた。


「ダークビートルって……悪の戦士みたいですね」


「まあ実際使ってたの悪の戦士なんだけどね。何故か謎の人物から手渡されてああして使えるだ」


「ダークビートルってそんなに強いんですか?」


「うん、強いよ。だから素人の僕でも戦えた」


「素人なんですか? それにしては自分の武器を把握し過ぎているような――」


「その理由はおいおい話すよ。喫茶店に誘っといてなんだけどそろそろ帰った方がいいんじゃないかな?」


「あ、それもそうか――パフェ、ごちそうさまでした」


「いやいや、此方も本物の戦隊レッドと話ができて良かったよ」


 と、返しておく。



=昼・魔装戦隊ブレメンジャーの世界=


「あの~剣を向けられるのはちょっとどうかと思うんだけど」


「マリちゃん!! ミカちゃん!! この人悪い人じゃないから!!」


 元の世界に戻ったら何故か青と黄のブレメンジャーの面々に剣を向けられた。

 それを庇うようにレッドのヨシコが立ち塞がる。


『かと言って安易に信じられないわ』


『何かの罠の可能性もあるワケだし……』


 二人(青のマリ、黄色のミカの順で)はそう述べる。

 確かに彼達からすれば自分は怪しいだろうなとか思った。

 ここは一度逃げた方がいいかな? とか、余計な面倒を抱え込まないために説得を頑張るべきか悩んだ。

 

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異世界の変身ヒロインVS平行世界のなんちゃってダークヒーロー系転生者 MrR @mrr

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