第1話 鎧の国―④

 「「・・・・」」


 私と下僕は黙り込む。

 聖女をやっていて確かに色んなものを貰うことがある。しかしそれらは食べ物であったり、ハンカチであったりと実用的な物ばかりあり、今回のようなどうすればいいのか分からないの初めてであった。

 ふと、兵士の方を見ると凄くニコニコの笑顔でこっちを見てきている。


 「あ、ありがとうございます」

 

 一応、お礼を言い受け取ろうとしたが、下僕が首を左右にぶんぶん振っている。これはこんな重いもの受け取れないということで。

 

 「とても嬉しいのですが、これは受け取れません。このまま旅に持っていくには重くて困ります、だからと言って着用することは出来ません。なぜならこの服は正装でして・・・」


「なら、お連れの方は着ることが出来ますよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

聖女様が微笑む旅路 ステスタ @suteresusta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る