魔術にしか興奮しない主人公が『人』になるまでの話

「エロ多めの成り上がり小説かな」と思った人、違うんですよ。

主人公ミドは魔術にしか興奮しない。
魔術の深奥を極めることを目標に生きるが、毎回いいところで謎の霊に体を乗っ取られてしまう。普通ならそこで死んでおしまいなのだが、彼が死んだとき、生まれた時点から人生をやり直す「ループ」現象が起きる。
そんなこんなで大属性の「闇」「炎」「水」「風」「地」「光」すべてを極めるが、最大の目標である『自分の枝葉を世界樹に至らせる』ことはできず。

七周目となる今世はとある小属性――その名も『淫』を極めることにした。

......お前正気か?

改めて。主人公ミドは魔術にしか興奮しない。よってこのような属性を身につけてもそういう行為を望まない。
あくまでも魔術を極めたいだけなのだが、ヤンデレ系幼馴染、ガキ大将(やたらとメスメスしい)、貴族連中、宗教屋、はてには国家までが彼の人生に関わりだし......

人の気持ちがわからない。そんな主人公は夢を現実にすることができるのか。主人公の葛藤と人間分析を楽しんでほしいと、個人的には思う。


追記
他の人も言及してるんですけど、主人公はキレ性なのですぐクソとか言います。だんだん丸くなります。説明も若干多いけど後半に生きてくる。それぞれ設定に小さな伏線がある感じ。
あと、前半は主人公にいいことがなさ過ぎて半ば鬱展開っぽくなってるけどそう思った人は第3章終わったあたりからだんだん面白くなると思うから読んでほしい。
この作品本当に大好きです。

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