穏やかな人物が昔も穏やかだったとは限らない。


 穏やかなおばあちゃんが死んだ。
 波風を立てず、静かに生きていた姿しか知らなかった「わたし」がママに尋ねてみたことから、おばあちゃんの意外な事実が浮かび上がってきます。

 読ませる文章の中に、おばあちゃん・ママ・わたしの三世代に渡る時間の流れ、「人生」を感じさせます。
 同じ人に対しても、語り部の数だけ違った側面が姿を現す。その中でありふれているように見えたあの人も変わってみえる。

 この作品には強く共感出来ました。