君が何者でも構わない。だから、ずっと。とても短いのに、完成された物語。不思議な存在と、匂いや体温を感じる日常が、読んだものに強烈な印象を与えます。
物書きの主人公が書いた原稿の不味い部分を食べてくれるという彼女(?)という設定が非常に不思議で印象に残る作品です。また、文章も読みやすくあっという間に引き込まれること間違いないでしょう。非常に印象に残る短編です。
短編、ショートショートの部類の作品。故に、ぎゅっと凝縮された物語が詰まっております。不思議な" 君 "と、それを" 飼っている "物書きの男のお話。" 君 "はあるモノを" 喰らう "不思議なひと。この世界観はかなり好きです。あまり語るとネタバレになってしまうので、ぜひ読んで感じて欲しい。そんな、" おいしい "作品です。
文章を書く僕と、その文章を読む君の物語。 登場人物はこの二人だけ。文章はこの二人の関係を表すように、淡々と進む。 君にはミルクティーがよく似合う。 果たして、君とは? 君の存在が僕の物書きとしての存在意義なら、ミルクティーは安いもの。 ラストにハッとする一作でした。 是非、御一読下さい。
何処にも行き着かない終着点である完成。目指すべき高みであると同時に、それはたどり着いた途端に死に変わる。そこから産まれる不完全への渇望。短い中に込められた相反する二つの執着が秀逸です。