第18話 博愛の別会

試合場裏に行くとフィアが待っていた。


「…お疲れ…そしておめでとう。」


「ありがとうフィア。」

2人は喜びを分かち合った。


「……君が決闘に勝ったテオか?」

2人の横には武装をした兵士が4人立っていた。


「国王陛下がお呼びだ。会議室へ」

「…ついに会えるのか…」


──────────会議室


「…君がこの学校一番の実力者を倒した…テオ君だね。」


「会えて光栄です。ロナ国王陛下…。」


「すまない…少し席を外してくれないか?」

国王が言うと会議室にいた兵士達がいなくなり、2人だけの空間になった。


「…さて…何から話したらいいか…」


「…ロナ国王陛下…いいえ、お父さん。」


国王はびっくりしたようにテオを見上げ、そして微笑み言った。


「…ははは。やはり気付いていたか。」

「テオ…今まで君の事を見れなくてすまなかった。」

ロナは頭を下げた。


「人間として…王として…いや親として到底許される行為ではないが、許してほしい。」


「…俺は神技会をずっと嫌っていました…」

「自己中で好き勝手な事ばっかりやっている貴族の連中だと思っていました。」

「しかし実際は学校の運営に欠かせない大事な組織だったのです。」


「俺は物事の本質を見るのが苦手で…」

「だから、俺を孤児院に預けたのもなにか理由があるんだと思っています。」

「…だから俺は…お父さんを責めません。」


「…ありがとう、テオ。」


「でも1つだけ…お願いがあります。」


「…なにかな?」



「今まで会えなかった分…俺を愛して下さい。」


「…よかろう。我が息子よ…」



───────────次の日


「はい!では会議を始めさせて頂きます!」


「よっ!!新会長~!!」


テオが号令をかけた後にソフィオ先輩が相槌を入れてきた。


「何で神技会を解散したのに僕たちまでここにいるんだい?」


ラーレが聞くとテオが答えた。


「昨日の決闘で神技会の解散が決まりましたが…」

「だからといって俺が運営できる能力もないのでメンバーや神技会の仕事はこのままで行こうと思います。」


サエッタが口を開く。

「…では何故解散…という形にしたのですか?」


「一番は決闘による賭け事の禁止…そして学校トップの在り方、この会の在り方を変えようという考えです。」


「んーなるほどー。でもなんか変わったのが分かりにくいねー」


「そこで手始めに名前を変えようと思います!」


「神の技を持つ会ではなく…神のような愛情を持つ会…即ち…」



「神愛会です!!」




mondo con amore 1章1節 完

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