第17話 必殺と必殺

…神技会に入って、数ヶ月。武術魔術はもちろん、学校の事、学生の事、運営の事など様座な事を学んだ。

そして再びこの試合場に戻ってきた。


「…時間を開けて頂きありがとうございます。」

「ずっと待っていたよ。君とまた決闘するのを。」


試合場はいつもよりも賑わっていた。


「今日はスペシャルゲストを呼んである。」


「国王陛下だ。」


「…っ!!国王陛下…!」


テオが客席の上を見ると兵士に囲まれて国王が座っていた。


「よし…決闘を始める前に…賭ける物を決めようか。君はどうする?」


「俺はこの数ヶ月神技会にいて、神技会が学校にどれだけ影響しているか、貢献しているかを知りました…」

「だが俺の意見は変わりません!」

「俺が勝ったら神技会を解散する!そして…」

「これが賭けがある最後の決闘だ!」


「…やっぱり、君の意見は変わらないか。いいだろう!じゃあ僕が勝ったら…」

「君のその剣をくれ。」


「はぁ!?あの人本当に言ってるの!?」

客席で見ているフィアが叫ぶ。


「…わかった。じゃあ決闘を始めよう。」


────────


それは決闘というにはあまりにも静かな始まり方だった。


「……もう君には隠す事はないね…二天一流シンテシ・スパーダ

ラーレは最初から1つの剣にする魔法を使った。


「会長のその剣…二つだとあまり意味をなさない剣だが、1つにすると攻撃上昇や移動上昇のバフが付く…みたいな剣か?」


「よくわかったね。でも分かったところでどうするのかな?」


「……押し切る!移動上昇ピウ・モッソ!」


ガギィン!ガギィン!!


もはや会場の誰も視認できないスピードで戦っていた。


「あはははは!いいね!前より剣筋が良くなってる!!」


「…今だ!くらえ!!」

星風乱舞ステラ・ヴェント・インパズィーレ!!」


テオが七連撃を繰り出す。

しかし全て会長に全て弾かれてしまった。


「…確かに良い速度だ。だが攻撃力が足りないんじゃないかな!」


「これで終わりだと思うなよ!炎の装甲アルマトゥーラ・フィアンマ!」

「そしてもう一度!星風乱舞ステラ・ヴェント・インパズィーレ!!」


次は炎の連撃を発動するも防がれてしまっている。


「…それじゃあ速度がなくなるよ?…堂々巡りだねぇ。」


しかしテオは技の最後で剣を上に投げた。


「!?な…なにを…」


そして火のついた拳でラーレを殴り、上に飛ばした。


(…炎をつけたのは剣と拳…!俺を上に飛ばすためか…!)


テオは大きく飛び上がり上に投げた剣を取り、飛ばしたラーレに斬りかかった。


「これが最後だ!会長!!」

「いいねテオ君!!だがこの攻撃を受け止めきれるかな!」


「いくよ…!神の一閃ランポ・ディ・ディオ!」

ラーレは剣を光らせ下から上に斬撃を放った。


「くらえ!!炎羅斬星ステラ・アルデンテ!!」

テオは上から下に燃える剣を振り下ろした。


どちらも一撃必殺技だった。


競り合いは位置的にはテオの方が有利だったが、威力はラーレの方が圧倒的に上だった。


「うおおおおお!!!」

「ぐっ…!!おらぁぁぁぁあ!!!!」


その時だった。


ガギィン……ッッ!!!


なんとラーレの剣が二つの剣に戻った。


「!?…なっ……!」


そしてそこで生まれたほんの僅かな隙をテオは見逃さなかった。


「届けえええぇぇぇぇぇッッ!!!!!」


ズバァァッッッ!!!



ラーレの体が空中で真っ二つになった。


「……し…勝者……テオ!!!」


ワアアアアア!!!!!!


司会がテオの勝利を叫ぶと呼応するように観客も叫んだ。



この戦いを経てテオは学校トップになった。

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