ひょうたんからでたこまとまこと

 本作は、当節流行の婚約破棄もの・異世界学園恋愛ものである……かにみえて少々異なる一面を持つ。

 作者(みやぎ氏、以下同)は、本作を既存の王道作(※既存の王道作がまずいわけでも悪いわけでもない。念のため)と一線を画すべく様々な工夫を凝らした。『影』なる存在はその最たるものだろう。

 文字通りの王子様にぐいぐい迫られて困惑する主人公は、さる特別な役目を一族から期待されていた。

 最終的に、まわりまわってすべては大団円に帰結する。恐らく、主人公をふくむほとんど大半の登場人物にとって奇想天外な真相がもたらされることによって。

 そこまで主人公を導き続けたのは、作者が本作へ注いだ惜しみない情熱の賜物であろう。

 ご興味の湧いた方は、ぜひ。