第2話 おカイコちゃん

ここはスクラブ市、蜘蛛もゴキブリも人間も居る。


「うーん、よく寝た!

もう11時か


カチッ、ピピッ


おいしいーーーーーー!!!!!



おお!アンパンマンがやってる!


バイキンマンのライバル格であるアンパンマンってすごくいいキャラしてるよね!!!!


頑張れ!バイキンマン!キミは宿敵を倒さないとバイキン星に帰れないんだ!


いいね!水鉄砲からのつかみ上げぶん回し!」



ピーンポーン!!!!!!


「あっ」


「こんにちは!この前のスズキさん覚えてるかな?」

金髪の目がドライブなツインテールの人


「覚えてます!その人の知り合い?」


「私はその人が作ったロボット!

そして今日からキミと一緒に暮らす!」


「暮らすの?」


「家事!買い物!その他諸々!私は色々できまーす!

キミのお母様にもちゃんと許可を取ったから安心して!」


「わかった!ありがとう!よろしくね!」


「これは食べかけ?」


「さっき起きたから今朝ごはん兼お昼ごはんって感じ」


「私の名前はあんぱん!」


「あんぱんまん?」


「確かに名前似てるねぇ」


「ガタイがいいね!

筋肉ムキムキ!かっこいい!」


「なんかさー、女の子の家に行かされたりするわけよ。

その際にこんな筋肉だから警戒されちゃって、もう!」


「大変だねー!!!!!!

でもかっこいいよ!!!」


「ちなみに喫煙も飲酒もするからね」


「せっかく出てきたメリットがデメリットで相殺された!!くそーーーーーーーー!!」


数時間後、母帰宅


「あ!お母さん!

よろしくお願いします!」


「まぁ、あんぱんさん?

来てくれたんですね!」


「よろしくお願いします!

何すればいいんですか〜〜?」


「お家のこととかねぇ」


「あ!お料理何作りますか?」


「なんでも大丈夫です。

あんぱんさんのやりたいようにやってね!」


「みみりくんに好き嫌いとかありますか?」


「キャベツが嫌いだったはずです!」


よし!あえて苦手なもので作ってあげよう!


フライパンでショートケーキを作った。

キャベツとキノコだ!


「よーーーーく出来ましたよー!」


まあ!美味しそう!


あの子はフライパンケーキに胡椒をかけるアレンジが好きよ。

ご飯は部屋の前に置いてね。」



コンコンコン


「夜ご飯できたよー!

ここに置いとく?」


「あんぱんさん!ありがとう!

いただきます!


おいしい、外食級の味がする〜!」


「キミの好きな食べ物は?」


「もやしパン!とんかつソースをかけて食べると美味しいんだよ」


「わかった!今度作るね」


その後、部屋に線香のいい香りがほんのりとした。


次の日!


「おはよう!起きて起きて」


「ま、ままぁ…?」


「もう七時半だよー」


「あ!あんぱんさん!!」


「学校!


「うん!ありがとう!」


「いってらっしゃーい」


外に出た


みみりは学校でうまくやっていけなかったので、図書館で本を読んだり、漫画を書いたり、時間を潰していた。

いわゆるサボり


「ただいまー…」


「・・・」


その日の夜


「あれ、ゴキブリ」


「あ!殺しちゃだめ!


「なんで?」


「可哀想だから!」


「へー!」


次の日


「起きてー!起きて起きて起きて」


「あぅ…んー、ふぐぁぁぁ!」



「学校いってらっしゃーい!」


その日、あんぱんはみみりの部屋を物色していた。


午後になった頃だった。


ぴぴぴぴぴっ


『お子さん、今日も学校来ませんでしたよ。

念のためお伝えする義務が御座いますので伝えました。』


「はい…ですよね…すみません。」


ツーツーツー

電話が切れる


「学校行ってないんですか?」


「そうなのよ。

ミゾが出来ちゃって、本人に問い詰めるのも可哀想…」


「ミゾってどういうことが?」


「小学生の時に野うさぎを拾ってきて、甲斐甲斐しくお世話してたのよ。」


「うさぎ…今、居ないよ。

もしかして死んじゃったんじゃ」


「それはそうなのだけど…


それから図書館やパソコンでうさぎのことを毎日色んなこと調べてたわ。


それから中学校になって、あんまり友達と仲良くなれなかったの、


そしたらみみりが家に居ないときに突然クラスメイトの女の子が家に来て、


『うさぎさん、借りていきますねー』とか言って、


家に置いてたら、その子の妹が夏休みの自由研究にうさぎの調理した事と味の感想を書いてたって…」


「ひっ……」


「うさぎは何年も一緒に暮らしてた家族のような存在だったし、私は全く許せなかったから、泣き寝入りもしたくないし、相手側の家庭に抗議しにいったの。


親御さんは習慣的にうさぎを食べる家庭で、人の家のうさぎだってことを知らなかったって、家族一同で土下座、お金をいっぱい払われたの。


でもみみりから見ても許せる話じゃないし、


その辺から学校にだんだん行かなくなって、」


「クラスメイトにそんなのが居るって、絶対学校行きたくないよね。」


「しかも人間…最悪でしょう。」


「それはまずい!」


「元々、性格があまり蜘蛛っぽくないのよね。

思考がヤバい方向に行っちゃってるかも…


将来は人間を守る仕事に就くはずなのにこんな目にあって不登校じゃあ、どうなってしまうんだろうって…」


「(なるほど…本人の人格は問題なさそうだったけど、こんな事が起きてたら将来が心配に決まってるよね)」


「でも帰り遅いわね」


一方その頃


みみりはゴキブリに囲まれていた。


「やあ!」


「はい!これ、家の冷蔵庫にあったやつ、食べる?」


「うまいうまい!」


「気を付けてね。この辺、人がいっぱい居るから」



その日は帰った。

もう夜8時になっていた。


「ただいまーーーーーー!」


「遅っ!何してたの?」


「ごめんなさい!」


「心配したよ!」


「でもいい事あった!」


「あ、ちょっといい?」


あんぱんはみみりをお姫様抱っこした!


「160センチに対して72キロかぁ…うーーーん」


「えええ?!そんなに増えてる??」


「キミはしょーじき、結構体重がある!なぜなら、夜中にこっそり冷蔵庫のもの、食べてるよね?気付いてるんだよ?!」


「ギクッ!!」


「ねえ!

このままだとピザデブになるよ?!


将来のこと考えて、運動しよう!!


で、もやしパンってこの前言ってたんだけど、なんか美味しくなさそうだったからもやし炒めにしたよ!


もやし一袋

卵2つ

きくらげ少し

オイスターソース

コショウ


なのよさ!」


「すごい!あんぱんは何でも出来るんだね!」


「学生時代、料理の授業がたくさんあったんだー

他のロボットも料理は出来るよ!」


「他のロボットの人に会ったことないけど、どれくらい居るの?」


「大体、120体くらいなのよさ!私のクラスは4人だったのよさ!」


「結構少ない!」


「管理がむずいらしい!」


「なるほど!」


「その4人のうちの1人は死んじゃったんだけどね…」


「悲しい…このご時世だし、誰が死ぬかなんてわからないよね」


「・・・」


「おやすみー!」



布団ではあんぱんとみみりが一緒に寝ている。

あんぱんは眠ってからピクリとも動かなくなり、みみりは寝相が悪いのであんぱんを蹴っちゃったり、羽交い締めにしたり、ヘッドロックをかける。


しかし今日は寝つきがあまり良くなかった。

すごく思い悩んでいた。


「(もうあんぱんちゃんが来てから1ヶ月くらい経ってるけど、毎日学校サボり続けてること、そろそろいったほうが良いよね。

お母さんにも言えてないけど…)」



ゴキブリと蝶の連合軍。

またまた、たくさんの組織の活動が激化していた。


「はーーーー!!!どうしよう。

今日も絶対学校行ってないだろうな。」


「いっそ本人に問い詰める?

いや、それは良くないかも!」

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昆虫人間M いずもん @izumo0923

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